「月世界小説」(牧野 修) [SF]
2016年版「SFが読みたい」第2位(第1位とは僅差)、2015日本SF大賞特別賞受賞。
牧野修の作品を読むのは(迂闊にも?)初めて(積ん読本の中に「傀儡后」はあったが)。その作風はかなり異様である。
目次からして異様で、ぱっと見で《パラレルワールド》ものとわかる。例えば、
>菱屋修介異本01 1975 世界n+1
>菱屋修介03 世界n-1
みたいに分類して付番してあるのだ。当然それぞれが違う世界で、それなりにストーリーが別に展開するのだけれど、相互の関連・影響もあり、非常にややこしい構造をなしている。普通のパラレルワールドと違って、言葉によって構成された個人の妄想世界が現実化、という変則的なアイディア。突拍子もないので読んでいて混乱した。
で、この小説、もろに言語SFなのだが、とても面白そうな題材を扱っているのに残念ながら理屈付けが弱く、言語兵器のアイテムなどのユニークな発想は目につくものの、その動作原理とかは説明されず、派手にドンパチやらかすばかりなので、むしろ「言語ファンタジー」という印象である。言語の持つ言霊的な現実改変力がテーマと言えばテーマか。それと「神との闘争」。
ともかく異様に力のこもった作品であることに間違いはない。
牧野修の作品を読むのは(迂闊にも?)初めて(積ん読本の中に「傀儡后」はあったが)。その作風はかなり異様である。
目次からして異様で、ぱっと見で《パラレルワールド》ものとわかる。例えば、
>菱屋修介異本01 1975 世界n+1
>菱屋修介03 世界n-1
みたいに分類して付番してあるのだ。当然それぞれが違う世界で、それなりにストーリーが別に展開するのだけれど、相互の関連・影響もあり、非常にややこしい構造をなしている。普通のパラレルワールドと違って、言葉によって構成された個人の妄想世界が現実化、という変則的なアイディア。突拍子もないので読んでいて混乱した。
で、この小説、もろに言語SFなのだが、とても面白そうな題材を扱っているのに残念ながら理屈付けが弱く、言語兵器のアイテムなどのユニークな発想は目につくものの、その動作原理とかは説明されず、派手にドンパチやらかすばかりなので、むしろ「言語ファンタジー」という印象である。言語の持つ言霊的な現実改変力がテーマと言えばテーマか。それと「神との闘争」。
ともかく異様に力のこもった作品であることに間違いはない。
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