「世界はゴ冗談」(筒井 康隆) [小説]
最近2010〜15年にかけて書かれた作品を集めた短篇集。発表媒体は「新潮」「文學界」「群像」と殆どいわゆる純文学雑誌で(例外は「yomyom」と「小説新潮」へ載せた2作品のみ)、「SFマガジン」への掲載作は一作もない。つまり、これはSFとして書かれたものではない。純文学作品なのだ。
とは言え、そこは筒井のことだから、ありきたりの「純文学」とはまるで違う。前衛的、実験的作品群が収められている。「虚人たち」など《超虚構》への取り組み以来、実験を重ねてきた筒井だが、この本の中では「メタ・パラの7.5人」と「奔馬菌」の2つがそれに該当し、それ以外は旧来のスラプスティックドタバタ不条理劇なども幾つか入っている。「耄碌小説」として古井由吉とタメを張る感じも無くもないが、衝撃度・深さにおいては古井の方が優っているように思えた。とは言え、筒井のは読み慣れすぎた世界だから、という要因はあるだろう。
とは言え、そこは筒井のことだから、ありきたりの「純文学」とはまるで違う。前衛的、実験的作品群が収められている。「虚人たち」など《超虚構》への取り組み以来、実験を重ねてきた筒井だが、この本の中では「メタ・パラの7.5人」と「奔馬菌」の2つがそれに該当し、それ以外は旧来のスラプスティックドタバタ不条理劇なども幾つか入っている。「耄碌小説」として古井由吉とタメを張る感じも無くもないが、衝撃度・深さにおいては古井の方が優っているように思えた。とは言え、筒井のは読み慣れすぎた世界だから、という要因はあるだろう。
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