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「神々の歩法」(宮澤 伊織) [SF]

「年刊日本SF傑作選2014年版・折り紙衛星の伝説」所収、第6回創元SF短編賞受賞作。
折り紙衛星の伝説 (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫)

折り紙衛星の伝説 (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2015/06/29
  • メディア: 文庫

 受賞作には電子書籍版で発行することが約束されている賞なので、このように短篇1作だけの廉価本が出ている。これ↓

神々の歩法 -Sogen SF Short Story Prize Edition- 創元SF短編賞受賞作

神々の歩法 -Sogen SF Short Story Prize Edition- 創元SF短編賞受賞作

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2015/06/30
  • メディア: Kindle版


なのでついポチってみようかと思ったが、これが収められる事がこれまた決まっている標記文庫本で読めるので、こっちを図書館で借りて読もうと思い、蔵書検索で出て来たのはまだ準備中(予約は可)だったので久々の予約第1位ゲット。綺麗な新本状態で読めた。

 「歩法」なんて初めて聞く言葉だが(なぜかGoogle日本語入力では一発で出た。ほほう、もしかしてこの作品故か?)、内容から言うと「舞法」のほうがいいんではないか?と思う。

 作者は無名の新人ではなく、既にラノベでSFも含め何冊も出しているそうだ。最近ラノベは一切チェックしてないので、勿論読んだこともなければ、名前さえ知らなかったのだが。

 短篇と言ってもやや長め(70P)で読み応えは十分ある。米軍のサイボーグ特殊部隊と地球外知的生命体が憑依した神の如き破壊能力を持つ超人との戦い。勝ち目などまるで無いところへもう一人の憑依体(これがアニメファン向けサービスで美少女設定)が現れて、帰趨は混沌としてくる……、と設定としてはそれほど斬新さはないのだが、戦闘場面の迫力とスピード感ある描写はさすが「既にプロ」の腕前で、引きこむ力は十分にある。敵の存在があまりに超次元的であるためのわけのわからん戦闘シーン描写も〈鬼面人を驚かす〉効果はあり、このへんの表現力も評価できるだろう。
 ラノベ出身でそれより広い世界でモノになる作家は多くはないが、この作家には次作以降も活躍に期待できる印象を持った。
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