「〈面白さ〉の研究 世界観エンタメはなぜブームを生むのか 」(都留 泰作) [サブカルチャー]
もう7年も前になるのかと愕然としたが、以前読んだ「ナチュン」の作者であり、文化人類学者でもある都留泰作氏によるエンタメ論。
「角川新書」というのはあまり目に触れないのだが、たまたま腰巻きの
>文化人類学者にして、マンガ家、二つの世界をつなぐ本書の語り口の〈面白さ〉は、もう一つの世界観エンタメだ!あの『ナチュン』『ムシヌユン』の作者が、繰り返し訪れたくなる時空間を創造することの〈面白さ〉を解き明かす(石原良治)
という文句が目に入って買って読んだ。
「世界観」というタームは、最近新作アニメに関する評などで「〜がしっかり設定されている」みたいな表現を見かけることが増えたように感じていたところなのでこのサブタイトルが目についたのかもしれない。
今までマンガやアニメでもっぱら重視されていたのは〈キャラクター〉で、極端な話、キャラがちゃんと出来れば後はもうストーリーは自動的に動き出すもの、みたいな(by 小池一夫)論が主流として説得力を持っていたと思われるが、この本では、そのキャラクターよりも、「世界」の面白さの方に心を配る作品群を「世界観エンタメ」と名付け、その具体的分析に入る。
そこで生きてくるのが著者の専門分野である文化人類学で、これを道具に快刀乱麻のごとく分析が展開する。それにしても、同業者(もしくはライバル)たちの作品群をよく読み研究しているようだ。
架空の「世界」をリアルに構成する要素として、空間、時間、社会集団を挙げ、例えば空間では『スターウォーズ』『となりのトトロ』『精霊の守人』を、時間では『千と千尋…』『ワンピース』『進撃の巨人』、社会では『ナウシカ』『踊る大捜査線』『半沢直樹』『ゾンビ』等々を素材として詳細に分析している。興味深く面白い。
エンタメ(の深読み)好きにはお勧めの一冊。
「角川新書」というのはあまり目に触れないのだが、たまたま腰巻きの
>文化人類学者にして、マンガ家、二つの世界をつなぐ本書の語り口の〈面白さ〉は、もう一つの世界観エンタメだ!あの『ナチュン』『ムシヌユン』の作者が、繰り返し訪れたくなる時空間を創造することの〈面白さ〉を解き明かす(石原良治)
という文句が目に入って買って読んだ。
(面白さ)の研究 世界観エンタメはなぜブームを生むのか (角川新書)
- 作者: 都留 泰作
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2015/05/10
- メディア: 新書
「世界観」というタームは、最近新作アニメに関する評などで「〜がしっかり設定されている」みたいな表現を見かけることが増えたように感じていたところなのでこのサブタイトルが目についたのかもしれない。
今までマンガやアニメでもっぱら重視されていたのは〈キャラクター〉で、極端な話、キャラがちゃんと出来れば後はもうストーリーは自動的に動き出すもの、みたいな(by 小池一夫)論が主流として説得力を持っていたと思われるが、この本では、そのキャラクターよりも、「世界」の面白さの方に心を配る作品群を「世界観エンタメ」と名付け、その具体的分析に入る。
そこで生きてくるのが著者の専門分野である文化人類学で、これを道具に快刀乱麻のごとく分析が展開する。それにしても、同業者(もしくはライバル)たちの作品群をよく読み研究しているようだ。
架空の「世界」をリアルに構成する要素として、空間、時間、社会集団を挙げ、例えば空間では『スターウォーズ』『となりのトトロ』『精霊の守人』を、時間では『千と千尋…』『ワンピース』『進撃の巨人』、社会では『ナウシカ』『踊る大捜査線』『半沢直樹』『ゾンビ』等々を素材として詳細に分析している。興味深く面白い。
エンタメ(の深読み)好きにはお勧めの一冊。
コメント 0