「ヨハネスブルグの天使たち」(宮内 悠介) [SF]
日本製のホビーロボット・DX9という若干奇矯な存在を狂言回し(媒介)にして(なので、どうも設定がいまいちリアリティに欠けるきらいはあるのだが)、地球上の様々な場所(そこはどこも荒涼として厳しい、戦場だったり、荒れ果てた街だったりする)を舞台に悪戦苦闘して、生き延びようと生の闘争に身を投じる人々の群像を描く連作集(5編)。
デビュー作「盤上の夜」で、将棋や碁などのゲームにあまりにも造詣が深く、もしかしてこの作家はこういう分野専門でしか書けないのでは?と疑問を持ったのが嘘のような視野の広さ!
それを裏付ける、各編末尾に載っている参考文献の量が凄い。世界各地の紛争地のルポなどを夥しく読み込んでおり、これは作家のなかでも勉強家に入るんじゃなかろうか?
この作家、伊藤計劃以後の日本SFの展開の中で重要な位置を占めるに足る、注目すべき新進作家だろう。
ヨハネスブルグの天使たち (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
- 作者: 宮内悠介
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/05/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
デビュー作「盤上の夜」で、将棋や碁などのゲームにあまりにも造詣が深く、もしかしてこの作家はこういう分野専門でしか書けないのでは?と疑問を持ったのが嘘のような視野の広さ!
それを裏付ける、各編末尾に載っている参考文献の量が凄い。世界各地の紛争地のルポなどを夥しく読み込んでおり、これは作家のなかでも勉強家に入るんじゃなかろうか?
この作家、伊藤計劃以後の日本SFの展開の中で重要な位置を占めるに足る、注目すべき新進作家だろう。
コメント 0