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「AKB48白熱論争」(小林 よしのり、中森 明夫、宇野 常寛、 濱野 智史) [サブカルチャー]

最近猖獗を極める(?)AKB48だが、私は全く興味が無い。大体、いい歳して…。同年輩の友人でハマってる人も居ない(隠れファンは居るかも?)。顔と名前が一致しないどころか、どっちも見分けがつかない。
AKB48白熱論争 (幻冬舎新書)

AKB48白熱論争 (幻冬舎新書)

  • 作者: 小林 よしのり
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2012/08/26
  • メディア: 新書


 しかし、Twitterで中森明夫氏がやたらとステマならぬアカラサマな宣伝をそれこそ熱気を込めて繰り返していたので、興味を惹かれて読んでみた。

 とにかく、なーんも知らん状態なので、前半の(総選挙のディテールについてのおさらい)はまるでチンプンカンプンだった。TV中継も観てないし、名前が意味を持たないので、その言動がどういう位置づけを持つのか、各個人の関係性とか仲間の中でのスタンスとか、予備知識が一切無いので無理もない。
 ともあれ、それぞれの論客のイチ推しするタレントへの思い入れの強さ・こだわりはわかった…。と言っても共感までは行かない。

 途中読むのをやめようかと何度も思ったが、せっかくなので読み進んだ。
後半、日本の現在の社会文化状況に話が及ぶに連れ、少し面白くなってきて最後まで一気読みとなった。「へ〜〜〜!」な世界である。この4人、商売柄とはいえよくまぁこれだけ理屈をつけて展開できるもんだなぁ、と感心してしまった。

 このAKBという「社会現象」が、単なる限定的なアイドルではなく、ネットやマスコミの変化の中で生まれた、いや秋元康という稀有な才能によって仕組まれた面とユーザーの中で自律的な展開をした面、その双方が呼応しあって進んだことで、成功し力を持って大きなブームとなっているというのはわかった。「あれよあれよ!」な世界だ。

 濱野智史氏はあとがきで、
>一度じかに体験してみなければ何もその良さがわからないシステムである。
 なるほど、あの田原総一朗氏でさえハマったらしいので、そういうもんなんだろう。
 しかし、そんなことはおよそありとあらゆる趣味や学問や仕事に言えることであって、あまり意味をなさないんじゃなかろうか?
 私はこれを読んだからって劇場や握手会に行こうという気にまではなれない。これに関わって、残り少ない余生を(その一部といえど)費やすべきとは思えないのだ。もっと大事なことや知りたいことが無限にある。

さらに彼はこうも言う。
>しょせんはオタクたちの与太話だと思われているしかし、そうではないのだ。
…と、まるで「信者」の弁である。この本の中でも、閉塞した世界の中でのAKBの宗教的機能について語られもしている(→「サリンを撒かないオウム」)。実際彼は最近書いた新著 「前田敦子はキリストを超えた」とかいうタイトルにしてるそうで、一部に物議を醸しているらしい。
 「お前がそう思うんなら、そうなんだろう。お前の中ではな」というテンプレが適用できそうなのだが、これを冷笑することはやめよう。私はファンの価値観を否定はしない。敬して遠ざけるのみ。
 でもなかなかおもしろい読み物ではあった。こういう世界観に触れてみることも必要だ。
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