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小松左京氏、死去 [SF]

 今日の午後、Twitter上に小松左京氏の訃報が飛び交った。最近のやつれぶりは知っていたので意外ではなかったが、それにしても日本SF界最大の存在、「巨星墜つ」の感が深い。
 私がSFマガジンを購読し始めた中学2年生の頃、「果てしなき流れの果てに」が連載されていた。彼の作品はたくさん読んだが、それでも全部は読み切れていない。重厚な大作は勿論印象深いが、短編でウィットの効いたものや発想の面白さに狂喜したもの、しみじみと情感を揺さぶられたものなど、実に多様な読書の喜びを与えてくれた。まさに驚異的な「現代日本の知性」と呼ぶにふさわしい作家だった。その知識の該博さ、引き出し(長持ち)の多さは特筆ものだった。

 ここでTwitterに投げたツイートを採録しておく。

>アーサー・C・クラークに続いて、またSF界の巨匠が…。随分影響受けたなぁ。合掌。
(クラークは2年前に亡くなっているが、最近それを掘り起こして、つい最近亡くなったと思い込むボケを(演技?)かました人が居て、ちょっと話題になったことを踏まえている)

>「肺炎」ということは「誤嚥性肺炎」だろうから、直接死因ではあるが、それに至った別の病名はあるはずだな。
(これは先週やってた「ためしてガッテン」の〈サラサラなおかゆは誤嚥性肺炎を引き起こしやすい〉を踏まえている。)

>父が誤嚥性肺炎になったとき、医者が「こういう嚥下障害を起こすというのは言わば〈神の声〉(=寿命)みたいなものです」と言ってたっけ。
(これは余談)

>日本が沈没しかけている今、それを見届けずに亡くなられた小松氏の心中いかばかりか。
(つい最近 Youtube かなんかで、彼が誰かとの対談で「原発、ありゃダメだよ」と言っていたの見た)

>小松左京「昔の女」はよかった。フェミ的には批判されるかも知らないけど。
(これが「情感を揺さぶった」わけです)

>小松左京の「文学は人間個人の存在を、SFは人類文明を対象にする」という定義が染み付いている。
(私がSF作品を評価する際の尺度の大きな要素がこれですね)

 彼がSF界のみならず、日本人全体に与えた影響の大きさはこれからも我々の財産として残っていくことだろう。

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