「天冥の標〈2〉―救世群」(小川 一水) [SF]
「天冥の標」シリーズ第2巻。第1巻についての感想はこちら。
「現代を舞台にしたパンデミックの話」と知って、ちょっと読む気になれなかった。この手のテーマは実はあまり好きでないのだ。
しかし、既にこの後の3巻「アウレーリア一統」も刊行されているし、もう少し追いかけてみようかと、思って読んでみた。
読み始めると、現代の話なので、1巻とはまるで雰囲気が違う。一言で言ってリアルである。実は1巻の方は作り物的な不自然さというか、ご都合主義的なところと強引な展開が鼻についていたのだが、こちらは一変して堅実なストーリーとなっている。SF的要素は少ないが、わずかに伏線のように仕込まれていて、謎めいた情報生命体の存在が異様な存在感を持ち始めている。とんでもない新種の疫病を生き延びた少女の成長ぶりに迫力がある。医師たちの苦悩の描写もよく書かれている。
この巻は、この長大なシリーズの「すべての発端を描く」と裏表紙に書いてあるのだが、まだ発端に過ぎず、1巻やガチのスペースオペラになるらしい3巻とのつながりはまだ見えない。4巻あたりで50年か100年後あたりの宇宙への進出の時代が描かれるのだろうか? つまりバイオSFと宇宙SFとの合体という形になることが予想される。次の3巻もいずれ近い内に読もう。
「現代を舞台にしたパンデミックの話」と知って、ちょっと読む気になれなかった。この手のテーマは実はあまり好きでないのだ。
しかし、既にこの後の3巻「アウレーリア一統」も刊行されているし、もう少し追いかけてみようかと、思って読んでみた。
読み始めると、現代の話なので、1巻とはまるで雰囲気が違う。一言で言ってリアルである。実は1巻の方は作り物的な不自然さというか、ご都合主義的なところと強引な展開が鼻についていたのだが、こちらは一変して堅実なストーリーとなっている。SF的要素は少ないが、わずかに伏線のように仕込まれていて、謎めいた情報生命体の存在が異様な存在感を持ち始めている。とんでもない新種の疫病を生き延びた少女の成長ぶりに迫力がある。医師たちの苦悩の描写もよく書かれている。
この巻は、この長大なシリーズの「すべての発端を描く」と裏表紙に書いてあるのだが、まだ発端に過ぎず、1巻やガチのスペースオペラになるらしい3巻とのつながりはまだ見えない。4巻あたりで50年か100年後あたりの宇宙への進出の時代が描かれるのだろうか? つまりバイオSFと宇宙SFとの合体という形になることが予想される。次の3巻もいずれ近い内に読もう。
タグ:「天冥の標」
第3巻「天冥の標〈3〉―アウレーリア一統」についてはここ↓
http://ask0030.blog.so-net.ne.jp/2010-12-07
by ask (2010-12-09 23:56)