「コルシア書店の仲間たち 」(須賀 敦子) [ノンフィクション]
著者がイタリアのミラノで1960年代を過ごした間に関わった、ユニークな書店で出会った人々の回想録。
様々な個性的で優しくて愛すべき人たちへの哀惜の念がにじみ出る、静謐な文体。この文章の美しさは特筆ものだ。大げさな表現は一切なく、淡々と事実と情緒を織りまぜて構成される文章の何と味わい深いことだろう。
ミラノという街の佇まい、雰囲気、そこに息づく有名無名の人々の確かな生活感。大戦と戦後の苦難と懸命の生きる努力、そしてささやかな幸福と、人生の転変…。
それらを素直な温かい目で見つめる著者の、ひたむきさまでが呼応するかのように逆照射されて来る。
文章を読む至福を味わわされた。
様々な個性的で優しくて愛すべき人たちへの哀惜の念がにじみ出る、静謐な文体。この文章の美しさは特筆ものだ。大げさな表現は一切なく、淡々と事実と情緒を織りまぜて構成される文章の何と味わい深いことだろう。
ミラノという街の佇まい、雰囲気、そこに息づく有名無名の人々の確かな生活感。大戦と戦後の苦難と懸命の生きる努力、そしてささやかな幸福と、人生の転変…。
それらを素直な温かい目で見つめる著者の、ひたむきさまでが呼応するかのように逆照射されて来る。
文章を読む至福を味わわされた。
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