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いっこく堂の芸じゃないが「衛星中継」が国内中継でも発生 [サブカルチャー]

 いっこく堂という腹話術師がいる。有名だ。その芸の新しさ素晴らしさは革命的だった。(と過去形なのは最近あまり見ないからだが)
 その彼の演し物の中でも出色の一つに「衛星中継」というのがある。口の動きと音声がずれるという超絶技巧だ。あれを見た時には仰天した。凄過ぎる!!
 外国からの生中継でスタジオと会話を行う場合、通信衛星を介するので、光速の電波ですらタイムラグを生じ、会話がうまくつながらなくて、聞いていてもどかしい思いをすることがよくある。相づちなどのタイミングが合わないのだ。こちらが話し始めたのがわからず、向こうが話し始め、遅れて届いた言葉に一瞬戸惑い、聞く側に回らなくてはいけなくなって、話し始めたのを中断し傾聴モードに入ってしまう。こちら側も同様で口をつぐむ。双すくみ状態だ。もの凄く聞き苦しく不快だ。私はあれに遭遇すると血圧が上がってしまう。あれは実質片方向通信なのだから、アマチュア無線みたいにあるいは宇宙船チャンピオン号みたいに、自分の話の終わりに「どうぞぉ」と付けて進行すべきなのだ。
 最初に感じたのは多分、月面上のアポロ11号のボーマンじゃないアームストロング船長とニクソン大統領の会話だったか。38万キロも離れていれば当然なのだが、これには相対性理論を実感したものだ(ってのはウソ)。国際電話をしてもこれは感じたことがある。
 ところで、いっこく堂の「衛星中継」はこういう事態とは違う。
 口の動きの映像と音声とに時間差はなく、どちらも一緒に電波で送られて来るのでクチぱくと映像は一致する(北京五輪開会式ではどうだったか未確認だが、映像音声ともに5秒遅れていたらしいってのは別の問題)。音声が映像に遅れる、という現象は、数百メートル離れた相手が大出力拡声器で話すのを聞きながら望遠鏡で見る、というシチュエーションでしか起こらない。これはあまりにも不自然だが、最も自然というか自然現象そのものでは雷の「ピカッ…………ゴロゴロゴロ」がこれである。原爆の別称「ピカドン」もそう。
 まぁ、それはそれとして、昨今のTV中継を見ていると、国際中継でもないのに同じ現象が頻発しているのだ。先ほども幼児殺害事件の現場からの中継を見ていたら、スタジオとの会話が途切れてばかりいてイライラした。これはどういうことなのか?
 国内の近距離でもわざわざ衛星を介しているのか? 最近の中継車設備は建物などの障害のない衛星をパラボラアンテナを使って利用しているようだから、たぶんこれだろう。衛星利用のコストが下がっているというのがあるのではないか? あとデジタル化というのも影響がありそうな気がする。信号がDSP(デジタルシグナルプロセッサ)の中を流れるわけだが、ああいう超LSIの中に展開する回路の長さは伸ばせばもの凄い距離になるはずで、それを途中何百個も経て流れるとなると無視できない長さになるのではないか?という気がするのだが、どうなのだろうか?
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すうちい

いっこく堂の「衛星中継」は衝撃でしたよね。
でも私の中3の教え子でいきなりあれを真似した子がいました。どういう思考回路になってるんだか。
相対性理論はともかく(^^)、光速が有限であることは感じますね。
by すうちい (2008-09-23 18:47) 

ask

>いきなりあれを真似した子
ひょぇえええぇ〜!! ただ者じゃないないですね。
その子その後どうなりましたか?
by ask (2008-09-23 21:13) 

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