SSブログ

「王道」とは何か? [言葉]

 「とある飛空士への追憶」に関連して、「王道」という表現に出くわした。この作品に関する評価を見ようとググったときにやたらと目についたのだ。コメントくれたJさんも使ってるし。
「王道」
 私自身はあまり使わない言葉だ。「学問に王道無し」てのは知ってるが、それくらい。この場合は「楽な方法」という否定的な意味だが、いい意味にも使えそうな気もして、あえて用例を作れば「投手としての王道を歩む松坂」なんて表現も可能かな?とか思う程度。つまり堂々として揺るぎないまっすぐな道というような。
 しかし、どうも違う使い方のようなのだ。
 Wikipediaには、本来の意味の「武力による覇道に対し、徳による政治を王道」などと書いた後に、別の意味として、
>演劇・ドラマ・コントなどの筋書きなどにおける、いわゆる「ベタな展開」を意味する
なんて書いてあった。
 へっ!? そんな意味があるの? というか「ベタ」って何? なんとなくわかるような気もするが…。典型的で、ありきたりで、ステレオタイプで、類型的で、…でいいのかな?

件の検索で出て来たのは、
>現代における本物の王道だ。 >王道ボーイミーツガール >ストーリー的にはさほど独創性はなく、王道と言うべきもの… >本書は王道の路線に連なる名作に肩を並べるに値する素晴らしい物語 >王道の題材でも書く人によってはここまで変わる物なのか >じつに単純明快で王道の物語 >「ファンタジーの王道」 という言葉が似合う内容 >多少王道一直線な感じもする >逃避行と身分違いの恋。王道である。徹頭徹尾王道である。 >身分違いの恋、言わば王道の展開 >現代における本物の王道 >とにかくこの作品は王道なんです。 この言葉が一番しっくり来ます、王道。 >王道すぎる王道 >王道ながら最高にキュンキュンできる >全ての展開が想像でき、 またその想像通りの王道的物語 >なんだか、どこかで見た事あるような、要するに王道 な流れ >いやもう、王道に徹したストーリーが、とにかく素晴らしい、 >王道とも言えるストーリーだけど、上手く緩急織り交ぜた展開のため飽きが来ない。 >王道だからオチや伏線が読めていても、ドキドキした >ストーリー的にはさほど独創性はなく、王道と言うべきもの >ベッタベタの超王道の話

 …という訳である。つまりそういうことなのだ。やはり決して褒め言葉ではないのだ。が、それでも褒めているニュアンスが随所にある。「王道?それでいいじゃないか!」「むしろ王道だから素晴らしい」と。

 これは一体どういうことなのか?
 ベタなものも極めればベタではなくなる、ということなのか?
 そもそもベタたりえるためには万人に通用する普遍性があり、それは肯定されるものである、ということなのか?
 ベタな展開でもディテールの工夫次第で面白くなる、ということか?
 ベタな方が安心して楽しめる、ということか?
 謎である。
タグ:ラノベ
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:学問

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。