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質問掲示板における〈釣り〉質問その3 [サブカルチャー]

 久しぶりに、顰蹙を覚悟でまたしても「発言小町」ネタ、つまり〈釣り〉質問ネタである。
 だいぶ前にあんな愚劣で、自己満足的で、下世話で、不毛なサイトからはおさらばしたし、今も一切参加する気はないのだが、それでも実は月に一度くらいはチェックしていた。10%いや1%くらいはクズじゃないものもあるかも、と。で、たまたま目について、余裕がない中でも注目して読んでいたトピックがある(もうクローズされたが)。これがちょっと看過できないものなのだ。
 「他人になりすましていた彼との今後をどうすれば」というトピックで、アクセスランキングでしばらく上位にあったし、レス数も最終的に490に達した。で、これがまさに〈釣り〉の疑惑があるのだ。

 ちなみに「アクセスランキング」上位、つまり大勢が注目しているトピックの半分以上は私の見るところ〈釣り〉である。まさにあのサイトは釣り師にとって〈魚影が濃い〉〈入れ食い〉状態なのである。それらは概ね、一見して明らかに〈読者の反感をあおるような挑発的偽悪的言辞〉のパターンであって、すぐにわかるのだが(それにしても釣られる人の多いことよ)、それとは違い、今度のこれはかなり高度なのである。
 多くある釣りのパターン(挑発的・偽悪的)は言わば〈炎上志向〉であり、つまりは一種〈放火〉的行為であって、炎上するさまを楽しむわけだが、そこに群がり嬉々として呼応する人たちは、半ばそれを承知で喜び勇んでトピ主を攻撃することで、ありきたりな「正義感」や「良識」を開陳して自己満足とカタルシスにひたる、という機序がある。だから千篇一律なレスが多くの人々から延々として続くのだ。まさに参加することに(自分にとっての)意義がある状態だ。そういうニーズは厳然としてあるのだろうし、まぁそういうのが面白い人はどうぞお続け下さい、としか言いようがない。
 件のトピは、それらあからさまな〈釣り〉とは違い、〈釣り〉の中でも、以前1年前に書いた「質問掲示板における〈釣り〉質問」の記事の中で、
〈いかにももっともらしいが、かなり極端で不自然なシチュエーション〉
と分類したものに当たるのではないか?と思われる。興味のある人はリンク先の原典に当たられたいが、そんな暇は無い人のためにごく簡単に要約すると、

>2年間付き合い、理想的とも言える恋人が居る29歳女性。
>mixiに彼を招待したが、彼はあまり興味を持たず、殆ど使っていない。
>ある日、彼のアパートで急ぎのメールをするために、不在の彼に許可を取って彼のパソコンを借りてメールした後、
>つい自分のパソコンの感覚でmixiにログインしたら、(クッキー設定で)いきなり他人の(つまり彼の?) ページに入ってしまった。
>そこは自分のマイミク(ネットの中だけの友人・女性)のページだった。
>(たぶん)彼は他人を装って、自分とメールのやり取りをしている。
>しかもそのメールのやり取りたるや、殆どが彼との恋愛に関する相談で、
>親身になっていろいろ相談・アドバイスをしてくれるマイミクだった。

というのだ。こりゃなんとも凄い話だ。ドラマチックというか、サスペンス小説もかくや、の「事実は小説より奇なり」ではないか!
 これはつまり、〈なりすまし〉で、彼は恋愛相談に乗るふりをしつつ、彼女の内心の動きを探り、うまく取り入る「理想的な彼氏」を演じる材料にしていた、と。彼女はすっかり同性の善意の第三者と思い込んで、相当赤裸々な(セクシャルな)相談もしていた、というわけだ。
 で、レスの展開は、「他人のパソコンを覗くなんてマナー違反」などという〈横道〉の応酬が少しあったものの、もっぱら「そんな彼は気持ち悪い」「即別れろ!」みたいな意見が大勢を占めた。しかし、状況は混沌となって行く。思い切って彼にそのことを問い質したら、「多分、たまに来てパソコンを使ってる妹のじゃないか?」などと言ったとか。「それは不自然」「妹なんかじゃなくて浮気相手では?」なんて意見も出たりした。ついに決心して、そのマイミクと実際にオフで会うことにしたら、来たのは女性だったが、核心についてははぐらかされた。「それは彼が仕立てた替え玉では?」という意見も。
 さらには、彼を擁護する意見に対して「彼がここを読んでいて、一般人になりすまして書いているのでは?」なんて意見まで続出する始末で、もう何が何やら…。
 で、途中で「この話は全て作り話ではないか?」という意見も数件あった。無理も無いと思う。私もそう思ったのだ。話が出来すぎている。にしては不自然なところも多い。「してやられた」感は強いのだ。
 結局真相は分からぬまま、レスポンス数のリミットに達したのか、事務局によってクローズされた。こういう話を中途半端な状態でクローズしてしまうという運営の仕方はとんでもないと思うが、皆それには抗議していないのが不思議だ。いや、ずーっと読んで参加して来た人たちは、薄々〈釣り〉を感じ取っていたのではないか?(「真偽はどうあれ、楽しませて貰いました」なんて書いてる人も居た。)「所詮他人事、十分楽しんだので、もういいや」といったところなのかも。
 真相は分からないままだが、〈釣り〉の可能性は80%以上あると思う。だとしたら、なかなかの才能だ。作家志望の人物が習作のつもりで書いたのかも知れない。文章自体は結構まともでリアルな説得力があるのだ。
 で、参加した人たちの中には、一緒に創作に加わって言わばリレー小説を書く、という感覚の人も居たのではなかろうか? だとしたら、これは端倪すべからざるユーザーであり、極めてハイレベルな〈釣られ師〉である、ということが出来るだろう。〈芸術〉の域に達した、などとまでは言えないが、〈芸〉と言えるレベルには達しているだろう。
 というわけで、〈釣り〉の世界もなかなかに奥が深いのかも、などと思った次第。
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