SSブログ

「モスラの精神史」(小野 俊太郎) [ノンフィクション]

モスラの精神史 (講談社現代新書)

モスラの精神史 (講談社現代新書)

  • 作者: 小野 俊太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/07/19
  • メディア: 新書

>なぜ蛾の姿なのか?
>あの歌の意味はなにか?
>ゴジラとどこが違うのか?
>---多くの謎が、いま解き明かされる!
(腰巻きから引用)
 NHK/BS2の「週刊ブックレビュー」で玉木正之 (スポーツライター)氏がお勧めの本として取り上げて、「ここ3年くらいに読んだ本で一番面白かった」と絶賛。同席のあさのあつこ氏も「えーっ、えーっ!そうなのぉ!と思わされることしきり」、と驚嘆していた。ので、早速買って読んでみた。
 なるほど、面白い。目からウロコ、と言うべきか。よく取材している、労作と言うべき論考である。
 ところで、実は私は「モスラ」映画をリアルタイムでもビデオでも一度も見ていない。公開時は田舎の小学生だったので、近所に映画館など無く、見るすべもなかったのだ。(私が見た最初の東宝の円谷怪獣映画は「キングコング対ゴジラ」である。その後「モスラ対ゴジラ」とか「三大怪獣・地上最大の決戦」などはリアルタイムで見たので、モスラ自体には親しみはある。)
 そもそも最初の「モスラ」を見ていないというのは、この本を読み、論じる上では、かなり致命的な資格の欠如ではある。それでも、この本の中で展開される時代背景や、関わった人達(原作者の中村真一郎、福永武彦、堀田善衛や映画人たち)の情念、映画製作の過程の緻密な解明などなどは非常に興味深い。論証という点では、若干、我田引水と言うか牽強付会と言うか、論理に飛躍のきらいが無くもないのだが、話半分としても興趣は尽きない。お勧めである。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。