「スポーツニュースは恐い」(森田 浩之) [ノンフィクション]
スポーツニュースは恐い―刷り込まれる〈日本人〉 (生活人新書 232)
- 作者: 森田 浩之
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2007/09
- メディア: 単行本
私はスポーツに殆ど興味がないので、すすんでスポーツニュースを見ることは無い。ニュースをだらだらと見ていると自動的にスポーツニュースが始まってしまうので、漫然と見てしまい、そのうちチャンネルを変える程度である。それでも松坂が勝ったかとかイチローが打ったか、くらいはちょっと気になるので見てしまうことはあるのだが。
そんな私がなぜこういう、本来興味のない分野の本を読んだかと言うと、やはりスポーツニュースというものの存在が身の回りで大きくあり、知人などの間でもそれを好んでいる人が多いからだ。「スポーツニュースそのもの」については興味は無くても「スポーツニュースについて」については興味がある、と言える。
で、そういう観点からは心魅かれるタイトルではある。いわゆる「情報の選択機制」(人は自分の価値観に沿った情報を欲しがり、信じたがる)が働いたというところかも。
内容的にはあまり目新しく感じるところは無かったが、それでも、これだけマスメディアがスポーツニュースを通じて女性観や国家観・国民性観などの〈ステレオタイプ〉の醸成の働きをしている、その実例を見せつけられると、なるほどねぇと思う。サブリミナル的に埋め込まれたそれらメッセージの浸透力というのは非常に強いだろう。確かにこれは「恐い」世界だ。
ところで、こういう本をNHK出版が出した、というのは評価すべきなんだろうか?
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