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がん闘病の現況つづき・7(2016.8) [セカンドライフ]

前回でかなりの風雲急を告げ始めてはいたが、それ以降の動きは急だった。いちいち書いていられないほどだった。そのためだいぶ間が空いてしまったが、この間の変化は大きい。日々の進展が激しすぎてその対応と受容に手間暇と労力がかかって今日まで書く余裕が無かった。どーなっているのかヤキモキさせてしまった人たちには申し訳ない。前回以降の動きを順を追って書こう。

 痛みの強さは日を追って上昇していた。歩くだけでも痛みが強くなっていた。

●7月20日
 夜、ベッドに寝ていて夜中に目覚め、〈どんな姿勢で寝ても痛む〉のが分かった。唯一痛まないのは椅子(ロッキングチェア)に座って上半身を縦に(鉛直に)保ったままにして初めて痛みを殆ど感じず眠れる、ということだった。背骨が変形しており、ベッド上で水平方向に横たわるとそこに加わる荷重ががんの骨転移部を刺激し激痛が走るのだった。
 しかし、この〈椅子睡眠〉はとてもキツい。不自然で熟睡出来ないし体中が硬く痛くなる。とても長続きでるものではない。(結果的には8/2までの13日間)
●7月21日
 また放治のシミュレーションでCTにかかる。当然上述のように水平の被験者台に乗らなくてはならず痛みが怖かったのだが、当然飲んでおいたオキノームのせいか嘘のように背部痛が弱かったので助かった。
●7月22日
 放治(初めての1回限定照射式)、部位は最初の時と同じ。5分ほどの照射。
 巷では PokemonGO の話題で大騒ぎ。なんと無縁な世界かと(大体私のiPhoneのOSは古くてインストール出来ないし)
 その後ますます痛み増強。オキノームの量も毎日3〜4袋に増えた。
●7月26日
 そのため、この痛み(安楽死というタームが連想されるくらいの痛み)からとにかく逃げねばと、整形のオペをすることに方針変更し、外来受診から即入院手術を希望するつもりで整形外の外来予約を取る。医師は即時入院ましてや即日オペなどはしないとは言ったのだが。
●7月29日
 姉と共に田端駅から初めてタクシーに乗り、整形外科外来へ。
 実はこの痛みは脊柱管圧迫のせいではなく、広くあるガン細胞による侵食によるもので、手術しても軽くなる見込みは殆ど無い(なんか話が違うような気がするが)とのことでオペは断念し、オキノーム増量で対応することになった。その後、大腸外科の主治医の方に回り、抗癌剤の再診処方の内服薬はせいぜい一ヶ月の延命効果しかなく無意味なので「中断」の判断を貰う(3割負担で3万円分の量が残っていたのだが)。さらに院内の「総合支援センター」を紹介されてそこへ回る。MSWからホスピスについての情報や介護保険について基本的なことを教わり、それに基づいて翌日からの姉の大奮闘が始まるのだった。
●7月30日
 姉が葛飾区立の高齢者総合相談センター・地域包括支援センターに赴き、介護用の傾き調整可能なベッド(65歳以下でもがん患者なら利用可能)の予約(→8/2納品)。
 介護保険受給者申請(→8/5面接要介護度認定)などの申込手続き。ベッドを入れるスペースをリビング内に確保するためガラクタや未読新聞・雑誌の片付けの大掃除作業が始まった。同様のことは「或る阿呆な積ん読家の一生」にてやったのだが、その繰り返し。この作業の負荷たるやがん性疼痛を抱えた身にはかなり応えた。
●7月31日
 脚(特に右脚)の脱力感不随意感覚が出現! 力が入らない、要するに〈足萎え〉。これは一体何だ!と不安になる。翌日にはもっと悪くなる。
●8月1日
 置き場所リビングのベッドスペース空けのための整理作業続行。
●8月2日
 整理作業はなんとか午前中に終わり、午後、介護ベッド納品されるのに間に合った。組み立て作業を見守る。傾き調節機能は良いのだが、寝てみた感じは、痛みの緩和度は、むしろ椅子の方がましだったかも(椅子のほうがより垂直になるので)。ともかく7/20以降の〈椅子寝〉からは解放される。
●8月3日
 一晩寝てみた感想としては「期待したほどには良くない」。試行錯誤して痛みの最も弱くなる姿勢・体位を探すのだが、完全に痛みがなくなることは無いのだった。
 一方で〈足萎え〉の方はますます進行して、力が入らなくなって来ている。一体何なのか不安のあまり、主治医に無理を言って、(本来の外来診察日ではないのに)翌4日の外来緊急受診をお願いした。
●8月4日
 初めて予約タクシーなるものを使った。足萎えのせいで電車に乗ったり、駅までの道を歩く自信がなくなってしまったためだ。姉の肩を借りて、杖を突きながらマンション前に停車したタクシーに乗り込む。病院まで片道四千円ちょっとかかった。
 「緩和ケア病棟」への入院相談外来の予約が取れていた(キャンセルが入ったとかで例外的に早く取れていた)ので、まずそこへ行って、問診を受け、病状や考えなどを説明した。緩和ケア病棟へ入院するための第一関門とも言える。ここを通過して初めて書類登録が行われ、入院を希望する事態となった時に入院予約申し込みをする資格が与えられる(実際の入院はベッドの空き状況によりさらに先になる。1週間位の待ちは普通にあるそうだ)。ちなみに退院のうち死亡退院は約半分とのこと。骨転移による痛みの患者の割合も訊いたが、そういう統計は無いようだった。
(「書類登録」がなされたという通知は後日届いた。)
 その後主治医に外来で脚の様子を見てもらい、即座に例の脊柱管狭窄による下半身麻痺の現れと断定された。呆気無いくらいだった。とは言え訳の分からない不安からは解放されたのだった。
 つぎに「看護相談」に行き、〈往診医師〉〈訪問看護〉について教わり、適当な事業者への紹介を依頼した。当面は自宅での生活がメインとなるので、日常的な医療サポートは必須なためだ。
●8月5日
 葛飾区介護課の職員が来訪。介護保険受給者面接を受ける。これまでの病歴と〈足萎え〉のことなど(特に進行中なのに固定的と判断されてランク付けされることへの危惧も)説明した。そうなったらまたもう一度認定申請しなおせば良い、程度に軽くあしらわれてしまったが。
●8月6日
 11AM頃、車いすが届く。使い方のレクチャー受ける。持ってきた機種で特に不満もないので、これで決定。
●8月7日
 ベッドのせいか、睡眠不足気味の日々が続く。
 この日初めてベッド上で〈おもらし〉をしてしまった。それまで食欲もなく殆ど食事を摂ってない日が続いており、便秘気味だったし、やや便意を感じてトイレに行って力んでも全然出ないという状況だった。それでもそれなりに溜まっていた大便が、放屁の後に続いてズルズルと大量に勝手に出て来たのだ。大慌てでトイレに行こうにも脚はろくに動かず、布団を汚すことは避けたいとベッドから離れようとすると床の上にしりもちをつき、そこでもまだ便は漏れ続け、と大騒ぎになってしまった。パンツの中には沢山の便が出、布団のシーツも少し汚れた。床にも大量に。結局この始末は姉がするしか無かったのだが、パンツをトイレ便器の流しにさらして洗い、またトイレットペーパーを大量に費消しての床掃除や尻拭きは大変だった。
●8月9日
 10AM、12AM、と2回にわたって、またしてもおもらし発生。1回めは軽く、ほとんど尿ばかりで大便は少なかったが、2回めは一発の放屁を合図に雪崩を打つように大量に出た。またシーツを汚してしまった。足萎えはますます強くなっているし…。
 駒込病院の看護相談からの紹介で往診専門医が2PMすぎに来訪。その一言でこの事態が簡略明解に説明された。すなわち、、、
   【膀胱・直腸障害
T9〜11辺りの脊柱管が圧迫され下半身が麻痺すると膀胱や肛門の排泄動作神経も通じなくなり、出すことがしにくくなるという、まさにそれまで感じていた事象が一発で語り尽くされていた。尿についても沢山溜まっている状態でいくら出そうとしても膀胱が反応しないのだった。あの気持の悪さは相当なものである。
 いずれにせよ、尿道カテーテル(膀胱まで達して常時尿を外の袋に貯める)と、オムツの装着は必須の状況になってしまった。とてつもないQOLの低下である。姉が近所のぱぱすという薬屋で大人用を買い込んできたのを夜就寝前に装着。事態があまりに急に進んだため、いちいち覚悟を準備する余裕など無く、姉にシモの世話を予告なくさせてしまうなどというシビアな状況なので、もうオムツが何だ、陰部を見られるのが何だ!の展開である。
 訪問医師の話は親切丁寧であった。フランクでわかりやすい話をされて好感をもった。週1回(火曜)の往診をして貰うことに決まった。また、膀胱の尿の貯まり具合を触診で察知し、翌日来る予定の訪問看護師に電話でカテーテル装着処置の準備を指示していた。

       ◆
 以上とりあえず、8月9日までの状況をちょっと詳しすぎるかと思いつつも書いた。勿論書き忘れたものや意図的に書かなかったことはもっとたくさんある。
 とにかくここ一週間から十日間のうちに起こった病状進行とその対策のあれこれは、あまりに急展開で目が回るようなものであった。一応念の為に、と思って準備した車いすなどが、来た途端ちょうどいいタイミングで早速活用せざるを得ないハメになるとか…。
 とくに酷いのが〈足萎え〉で、日々毎日日が経つに連れて病状が進行し悪化していく、ついには完全に麻痺して脚が木偶(でく)の棒と化してしまった(不可逆的)。ベッドから車いすにすら自分一人では移動できなくなっている。このことの喪失感はとても強い。
       ◆
 そんなこんなのドタバタ続きで、ブログに書く余裕も気力もないまま日が経ってしまったのが、ここにこうしてまとめられるだけの余裕が…できたわけではない、相当無理して疲労困憊しながら書いた(主として私のことを心配してくれている友人向けに)ので、次回はいつ頃書けるかはわかりません。

タグ:大腸がん
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