SSブログ

「資本主義の終焉と歴史の危機 」(水野 和夫) [ノンフィクション]

読むのが遅れたが、昨年とても読まれた新書らしい。先程Amazonを見たら、未だに「ベストセラー1位(カテゴリ・国際経済と日本)」となっている。

資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書)

資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書)

  • 作者: 水野 和夫
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2014/03/14
  • メディア: 新書


 現在のグローバル強欲資本主義の横暴、弊害はだれの目にも明らかだし、世界経済がどの国や圏域でも大きな問題に突き当り、改善の曙光など見えない状況であるのは衆目の一致するところだろう。近代化とイコールだった資本主義とは何か、中心と周辺から成り、資源や富を蒐集=収奪で成長してきたその歴史を顧みて、「長い16世紀」=利子率の低下、そこからの海への進展による空間革命、そのアナロジーが繰り返される21世紀の
それは「電子=金融空間」という虚構世界での資本増殖→バブルとその崩壊の繰り返し……もはや、成長への余地はなくなり、一方で全世界がグローバルに均一化する方向にあり、それが実現すると周辺が先進国の中にも生成されざるを得ず、15%の富者と85%の貧者に二分化する。(→中国が「13億総中流化」することはあり得ない)

 必然的に今後の世界は成長から定常社会に移行せざるを得ない。そこにいかにソフトランディングするかという困難な課題に直面することになる。

 刺激的あるいは挑発的な、かつ警世的で視野の広い深みのある本だ。大著でなく新書という軽い本で扱うにはあまりに巨大な対象・現象だとは思うが、それでも簡潔に本質に迫っている感がある。
 私は経済にはからっきし弱い、無知な人間なのだが、これは明解に大きな流れを分かりやすく説明していると感じた。正しく評価する能力に自信が無いのは悔しいところだけれど。

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。