「know」(野崎 まど) [SF]
「SFが読みたい2014年版」で国内編ベスト・5位。
2081年の超情報化社会、あらゆる場所・モノに「情報材」が組み込まれ、あらゆる情報が取得可能になった世界で、人間の脳の情報処理能力を補助するための〈電子葉〉を全ての人間に装着することが義務づけられた時代。
その電子葉をはるかに超える速度と容量を持つ超小型量子コンピュータ〈量子葉〉の開発をめぐる謎を追うストーリー。とてもスリリングだ。
「情報戦」という言葉が、普通とは違った意味で、殆ど物理的に戦われる「異能バトル」的なシーンの映像的迫力は特筆もの(アニメ向きかもしれない)。
そういう最先端テクノロジーと仏教的な世界観、悟り(=know)という境地の親和性が提示される。面白い。いわば仏教(神道もあり)サイバーSF。
人間の知の限界を超えるすさまじい情報量の集積がもたらす特異点→ブラックホール化! それがもたらすのは……とネタバレは避けよう。
(最後のエピローグは非常に暗示的だ)
京都を舞台にしているので、つい森見登美彦や万城目学を連想してしまうが、まるで風合いが違う。ガチSFである。リーダビリティは高い。一気読みを誘う。この作者はライトノベル出身のようだが、もはや本格的なSF作家と言えるだろう。
2081年の超情報化社会、あらゆる場所・モノに「情報材」が組み込まれ、あらゆる情報が取得可能になった世界で、人間の脳の情報処理能力を補助するための〈電子葉〉を全ての人間に装着することが義務づけられた時代。
その電子葉をはるかに超える速度と容量を持つ超小型量子コンピュータ〈量子葉〉の開発をめぐる謎を追うストーリー。とてもスリリングだ。
「情報戦」という言葉が、普通とは違った意味で、殆ど物理的に戦われる「異能バトル」的なシーンの映像的迫力は特筆もの(アニメ向きかもしれない)。
そういう最先端テクノロジーと仏教的な世界観、悟り(=know)という境地の親和性が提示される。面白い。いわば仏教(神道もあり)サイバーSF。
人間の知の限界を超えるすさまじい情報量の集積がもたらす特異点→ブラックホール化! それがもたらすのは……とネタバレは避けよう。
(最後のエピローグは非常に暗示的だ)
京都を舞台にしているので、つい森見登美彦や万城目学を連想してしまうが、まるで風合いが違う。ガチSFである。リーダビリティは高い。一気読みを誘う。この作者はライトノベル出身のようだが、もはや本格的なSF作家と言えるだろう。
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