「ソウルメイト」(馳 星周) [小説]
人と犬との間の愛情をテーマにした作品群。チワワ、ボルゾイ、柴、ウェルシュ・コーギー・ペンブローク、ジャーマン・シェパード・ドッグ、ジャック・ラッセル・テリア、バーニーズ・マウンテン・ドッグ、と7種もの犬が登場する。
(と言われてもあまり馴染みのない犬種が多いのだが、各編の扉ページに当該犬の絵が描いてあるのでわかりやすい)
著者がこれらすべての犬種を実際に飼ったことがあるのかわからない(まさか!)が、それぞれの犬の特徴・性格をよく把握して描かれている。
犬が主題の小説はあまり読んだことがなかった。記憶にあるのは「戦場の犬」くらいか。いや、猫の小説(こっちのほうが多いような気がするが)だって殆ど読んでないな、そう言えば。
個々の短篇の詳細に触れないが、犬テーマと言っても、主体はあくまで人間、特に家族関係である。いろいろなシチュエーションで人間の悩みや家族関係の苦悩、病苦、災難などがあり、そこに関わってくる犬と人間との交流の様々なあり方はそれぞれ全く違う。登場人物はかぶらない(舞台は軽井沢が多いが)。概ね、犬と人との濃密な関係、その限りない愛情がヒトを癒やし勇気づける様が描かれていて、感動的。
犬のほうが猫より数段知能が高いので、ヒトとの関わりもより複雑になるという面はある。故にドラマ性も高くなる。猫にだって個性はあるが、ヒトとの交流の濃さにおいて犬には比すべくもない。私自身はどっちかと言うと〈猫派〉なのだが、動物文学としては犬のほうがアドバンテージがあるのではないか?
いや犬文学と猫文学では全く次元が異なるので比較するのもヘンな話ではあるな。
(と言われてもあまり馴染みのない犬種が多いのだが、各編の扉ページに当該犬の絵が描いてあるのでわかりやすい)
著者がこれらすべての犬種を実際に飼ったことがあるのかわからない(まさか!)が、それぞれの犬の特徴・性格をよく把握して描かれている。
犬が主題の小説はあまり読んだことがなかった。記憶にあるのは「戦場の犬」くらいか。いや、猫の小説(こっちのほうが多いような気がするが)だって殆ど読んでないな、そう言えば。
個々の短篇の詳細に触れないが、犬テーマと言っても、主体はあくまで人間、特に家族関係である。いろいろなシチュエーションで人間の悩みや家族関係の苦悩、病苦、災難などがあり、そこに関わってくる犬と人間との交流の様々なあり方はそれぞれ全く違う。登場人物はかぶらない(舞台は軽井沢が多いが)。概ね、犬と人との濃密な関係、その限りない愛情がヒトを癒やし勇気づける様が描かれていて、感動的。
犬のほうが猫より数段知能が高いので、ヒトとの関わりもより複雑になるという面はある。故にドラマ性も高くなる。猫にだって個性はあるが、ヒトとの交流の濃さにおいて犬には比すべくもない。私自身はどっちかと言うと〈猫派〉なのだが、動物文学としては犬のほうがアドバンテージがあるのではないか?
いや犬文学と猫文学では全く次元が異なるので比較するのもヘンな話ではあるな。
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