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最近観た映画感想まとめて24本 [映画]

 また書かないでいたらこのシリーズが溜まってしまった。なぜか映画の感想は書きにくい。しばらく放っておくと記憶も薄れてしまうので、ますます書きにくくなる。
 このままではますます溜まることになるので、9月以降現在まで観た映画を一挙にアップロードしよう。大体は観たその日か翌日に書き留めておいたものだが、しばらく経ってからのものもある。

9月4日「るろうに剣心」(MOVIX亀有)
殺陣はスピーディー(過ぎ?)で迫力ある。主役の佐藤健は適役。同じ監督の「龍馬伝」で人斬り以蔵を演じていたあのヘタレぶりとは打って変わってかっこいい。
 もともとマンガなので「ご都合」的な部分はまぁしょうがないか。しかし、「〜でござるよ」という珍妙な言い回しは実写になると、不自然さが倍増するな。

9月12日「プロメテウス」(MOVIX亀有)
ストーリーはイマイチだ。その代わり映像は凄いと聞いていたのだが、それほどでもなかった(2D版)。
 なんか設定が支離滅裂。地球から80億キロ離れた「銀河」って何だ?太陽系のサイズ自体それくらいあるのでは?
 「エイリアン」第1話で出て来た異星人の宇宙船の由来がわかるが、砲台みたいな操縦席で死体が発見されたのに符合するかと思ったら、そこでは死なないし…。しかし、あのマッチョ過ぎる異星人、地球人とゲノムが完全一致、っておかしいでしょ?エイリアンって、知らぬうちに「感染」して体内に宿る微生物だったというのも無理筋。これ続編もあるみたいだけど、どうなのかねぇ?

9月15日「天地明察」(丸の内ピカデリー)
原作は素晴らしかったので期待大だった。かなりよく映画化しているけれど、ディテール(保科や光圀の思いなど)がいまいち盛り込めていない。映画では無理だったか?原作にないチャンバラ部分は余計で、興ざめ。映画だから見せ場のスペクタクルがないと、と思ったのなら勘違いも甚だしい。しかし、皆既日食だったとは!それにしても、日食を裸眼で見たらあかんがな。

9月17日「夢売るふたり」(MOVIX亀有)
Twitter上で大評判なのだが、釈然としない。
 松たか子はじめ女優陣の演技のディテールは素晴らしいのだが、ストーリー展開に難がある。
 結婚詐欺という破廉恥極まる行為に手を染める過程のやりとりや心理が全く描かれない。唐突に、既にルーチン化した段階に移行してしまう。もしかして、瞬間的に眠りに入ってしまいそのプロセス部分の数十分間を見逃してしまったのか?という疑念が湧いたが、眠気は全く感じていなかったのでそれはないと思う(自信はないが)。
 なので、(感情移入もなく)展開に没入できずに終わった。唐突なのは、裁判の過程をすっ飛ばして刑務所での服役状態にワープするところもそうだ。別に「法廷もの」を期待したわけではないが、幼児の犯行を皆でどうやって隠したんだ?あと、松たか子の癌はどーなったんだ?
 みんなよくついて行けるなぁ。

9月26日「鍵泥棒のメソッド」(シネクイント)
映画好きの友人が「今年の一押し!」と褒めていたので見ようという気になった。
 確かに面白かった。先の展開が読めない。意外などんでん返しの快感がある。まぁかなりご都合主義はあるんだけれど。終盤に至ってのヤクザへの騙し、どこまで見破られたのか、イマイチわかりにくい。広末涼子、ちょっと老けたかな? 堺雅人より香川照之の演技のほうが上。

10月2日「最強のふたり」(新宿武蔵野館)
夜の飲み会の前の時間を利用して観た。二人の仲の進展具合、ともに変化していくさまが面白い。両者ともに演技が素晴らしい、特に笑顔が。
 実話だそうだが、話自体はそれほど特別な訳ではないような気がする。何かの手記が出版されて売れたのか?

10月3日「ハンガー・ゲーム」(MOVIX亀有)
眠くなったという人が居たが、それは手振れの多いカメラワークのせいではなかったろうか?酔ったような、目の疲れる効果で。
 私は特に眠くはならなかった。結構面白かった。が、そもそものこのゲームの目的趣旨についてはイマイチ釈然としなかった。このバトルロワイヤルのコントロールセンターはなんでも創造できちゃうテクノロジーを持っているのだが、それはあまりにあんまりなご都合主義設定ではないか?

10月11日「最終目的地」(新宿シネマート)
原作は3年前に読んでいた。その記事の中に、
>映画化され、作家の兄がアンソニー・ホプキンスでその恋人は真田広之、これは面白いキャスト。見てみたい。
と書いていた。それがやっと本邦公開になったわけだが、なんでこんなに時間がかかったんだろう?
 原作に忠実に、静謐な雰囲気がよく出ている。

10月12日「あなたへ」(MOVIX亀有)
高倉健久々の主演作(と言っても前作を見てないが)。82歳とは思えないが、手の甲の肌は年齢を隠せないな、と思った、てのは余談。
 大滝秀治の「久々によか海を見た」という台詞、彼の死後に高倉健が(メイキングのTV番組で)「その発話の演技に圧倒された」と言っていたが、たしかにいい場面ではあるものの、それほどの凄さは画面や音声からは受け取りきれなかった。その番組では、共演者たちが異口同音に高倉健という老優の気配りや優しさや存在感を絶賛していた。確かに、そこに居るだけで、ちょっとした仕草だけで〈絵〉になる俳優だろう。
 死んだ妻への哀悼の念が切々と迫ってくる。

10月16日「ツナグ」(MOVIX亀有)
死者の言葉(霊言)を伝える霊媒師やイタコと違い、生身の本人を呼び出すという設定は珍しいかも。この設定だけでなかば〈勝利〉なのだが、ストーリー展開が良くできている。3つのそれぞれまるで違うケース。それぞれに優しさが込められている。死者からの許し、生者の哀切の念、新たな生へ踏み出す契機。一方で、〈ツナグ〉という伝承芸を受け継ぐ若者の惑いと決意。後味が良い作品。
…などと書いた後、宇多丸さんのウィークエンド・シャッフル、シネマハスラー(10/27)を聴いてたら、くっそみそにけなされてる。w 言うことを聞いてみると、演出のダメさ、構成のまずさ、あざとく繰り返されるワンパターンの音響効果と映像効果、などなど「愚作」と決めつけており、いちいちフムフムと頷いてしまった。

10月22日「推理作家ポー・最期の5日間」(MOVIX亀有)
ポーの諸作品の中の殺人方法がいくつも再現されるという設定は、無理やり盛り込みすぎて謎解きで回収(動機や実現手段の解明)不能になっている感あり。
 ポーは幼妻に死なれて絶望の中アル中で死んだと思っていたが、別の女性が恋人になっているので釈然としなかった。)

10月27日「エクスペンダブルズ2」(MOVIX亀有)
 前作の1は観ていない。やたらと人を殺しまくるだけのしょうもない映画。展開はご都合主義そのもの。ってーか、場面転換が唐突すぎて「えっ!?なんでそうなるの?」と唖然とするばかり。
 これ見て歓声を上げるアメリカ人の群れを思うと暗然たる気分になる。

10月31日「希望の国」(MOVIX亀有)
園子温監督の最新作。原発事故で避難を強いられる人々の苦悩を描く。
 離散する家族。重すぎる。タイトルと真逆の絶望的な状況。映画人として最も真摯に原発に取り組んだ作品だろうが、感想がうまくまとめられない。

11月7日「アルゴ」(MOVIX亀有)
いやはや、こんな凄いことがあったとは知らなかった。イランのアメリカ大使館人質事件の裏話。まさに事実は小説より奇なり。奇想天外、驚天動地!
ドキュメントタッチのカメラワークが良い。無名の俳優ばかり(私が知らないだけだったりするか?)なのが更に効果的。

11月10日「北のカナリアたち」(MOVIX亀有)
なんか「二十四の瞳」みたいな映画かと思ってたら違った。シリアスな殺人もの。しかし、ストーリー展開(警官との不倫とか、20年を経ての再結集が安易すぎとか)に難がある。ようするにご都合主義。
 宇多丸さんだったか、「吉永小百合を雪の中に立たせれば絵になる、というパターン」を続けるのはいかがなものか。

11月14日「悪の教典」(MOVIX亀有)
何の必然性もない無差別大量殺人。狂気(サイコパス)を描くにしても何の〈得心〉も得られない。何が言いたいのかわからない。「心の闇」?そんな御大層なものではない。原作にはその辺の説得力があったのかどうか、読んでないのでわからないが。虐殺される生徒たちの演技は良い。

11月20日「高地戦」(シネマート新宿)
これは凄い。戦争映画史に残る作品、という評価は本当だろう。舞台などはフィクションらしいが、朝鮮戦争では似た状況はたくさんあったようだ。203高地とかハンバーガーヒルのような果てしもない消耗戦の悲惨さ。登場人物のキャラ造形も決まっている。
 時々コマ数が少ない場面展開があったような。さほど大部隊は出てこないのは、予算的制約があったのだろう。

11月21日「リンカーン 秘密の書」(MOVIX亀有)
予告篇を見て驚いた。あのリンカーンがヴァンパイア・ハンターだった、とな!面白すぎるではないか。しかしこれは、いくらなんでもそこまでやるか?無理すぎるだろとも思うが…設定の勝利かも。最期の機関車の橋爆破シーンはちょっとやり過ぎでアニメっぽくなっちまってる。

11月27日「カリフォルニア・ドールズ」(シアターN渋谷)
ピーター・フォークが女子プロレスのマネージャー役。1981年の作品のリバイバル上映。著作権問題からDVDが出ていないらしい。
 面白かった。華やか荒々しい舞台裏の駆け引きや男女関係の妙。最期のクライマックスの北米タッグチームチャンピオンタイトルマッチのド派手な試合描写はプロレスファンならずとも熱くなりそう。

11月29日「のぼうの城」(MOVIX亀有)
原作積ん読。面白かった。野村萬斎の演技はなかなかいいが、人物像がいまいち説得力がないかも(ボーッとしてるのか、シャキっとしてるのか)。しかし、言葉が時々現代風になるのは違和感があった。
 舞台の忍城は、私の生まれ故郷の近くなので親近感があった(丸墓山に登ったことがある)。
 雑兵や百姓などのエキストラの数は多く、CG多用しているとはいえ相当制作費がかかったんじゃないだろうか?それにしても、水攻めシーンの波濤の激しさ大きさは大げさすぎて不自然。しかし、あの時代に狙撃兵(狙撃用高性能ライフル)なんて居たの?これ、時代考証してるのか?
 石田光成のキャラは最期のクライマックスで好印象になっていた。これは意外、と言うより唐突で不自然。

12月5日「ロックアウト」(MOVIX亀有)
リュック・ベッソン製作なので期待したが、金をかけている割には愚作。突っ込みどころ満載。思わず失笑。最後にはスター・ウォーズのパロディになっちゃってる。もしくは「アイアン・スカイ」。宇宙服のまま大気圏再突入とか、ご都合主義の極み。

12月8日「その夜の侍」(有楽町スバル座)
堺雅人、最近活躍してるなぁ。じわじわ来る不安と恐怖。妻を殺されて精神に変調を来した男と粗暴な暴君的悪人とのつばぜり合い。
 クライマックス(その夜)の泥レスシーンは熱演。期せずして「カリフォルニア・ドールズ」とシンクロした。

12月10日「人生の特等席」(新宿ピカデリー)
劇場が一新されて大規模シネコンになっててびっくりした。11階のハコというのは、映画館の自己最高記録か?
 「ローハイド」の頃に比べて、クリント・イーストウッドも随分年老いたものだ(ついでに私も、だが)。しかし〈老醜〉の姿(放尿や転倒シーン)を赤裸々にさらけ出してまで演じる姿勢は尊敬に値する。自分の老い、つまりは〈年輪〉の積み重ねに自信が見て取れる。
 ご都合な展開(娘のスカウト能力の発現、天才的投手と出会う)もあるけど、父と娘のしこりが解消し、愛を確かめる光景は感動的。

12月12日「ふがいない僕は空を見た」(テアトル新宿)
原作は今年3月に読んだ。
 水曜日だったせいか、女性客が多かった。このハコでは誰でも千円の日でもあったのだが。
 原作はもっと話が盛り沢山なのだが、映画にするには長すぎるためか、かなり端折っている。立場を変えて同じシーンが再現されるのが、時系列が乱れてちょっと戸惑った。
 原作の性描写は濃厚だったが、田畑智子のベッドシーン体当たり演技は凄い。男子生徒二人とも良い。生と性の辛さと、それでも生きていく肯定感が、特に最後の出産シーンで示されて後味は良い。
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のりたま

「ふがいない僕は空を見た」
原作を読みました。
冒頭のシーンは過激でしたが読んでいくにつれて考えさせられるとても良い作品でした。

by のりたま (2012-12-17 16:59) 

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