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「一命」 [映画]

実に見応えがあった。
 50年も前の「切腹」という映画のリメイクらしく、前作(主演・仲代達矢/監督・小林正樹)のほうが良いという声も沢山coco上では目にしたのだが、あいにく見逃している。

 しかし、この作品も凄い出来で、主演の海老蔵、瑛太、満島ひかりの3人の演技が素晴らしい。海老蔵の気迫、満島の儚げさ、瑛太の痛々しさ、それぞれ迫真。
 「狂言切腹」なる言葉は初めて知ったのだが、この年になって初めて知る史実、というのはあるんだろうか?いやそれほど日本史に造詣が深いなどとは言えない身なれど…。
 海老蔵は例のスキャンダル以来見るのは初めてだが、以前よりも迫力を増しているように思えた。最後の殺陣(竹光での大立ち回り)ではそのあまりの豪傑っぷりが、〈不自然〉の一歩手前まで行っているのだが、そのエネルギーの放射で映像の破綻を免れている、と思える。

 彼の酒乱や放蕩無頼は「病気」だと思うが、それは克服したのだろうか?それなら良いが、でなくてもしそれらが「芸の肥やし」になっているのなら、それも可、なのかも知れない。60過ぎまで生き延びて「枯れた境地」に至った海老蔵も見てみたい気もするが、芸のためなら身を滅ぼしてでもという生き方も否定できない。むしろ我々凡人はその輝きに魅せられてしまうものだろう。
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