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「トゥルー・グリット」 [映画]

 「塔の上のラプンツェル」が面白いらしいぞと聞いていたので、観ようと思って前売り券を買ってあるのだが、なかなか観に行けなくて、金曜日には行けると思ったら、なんと1日で映画千円の日ではないか!これでは前売り券ではかえって割高になってしまう。別の日にして、何か他の映画を観ようとTwitterでお薦めを訊いたらTomboさんからこれを教えられた。もともと見ようかなと思っていた作品なので、これにした。新宿武蔵野館は満員だった。
 コーエン兄弟監督作品。ジョン・ウェイン主演(オスカー受賞)の名作西部劇「勇気ある追跡」(1969)をリメイクしたもの。西部劇を観るのは久しぶりだ。最近は制作本数自体めっきり減っているだろうし。しかし、これは実によく出来た素晴らしい作品だ。
 以前に劇場で予告編を見たときに、ヒロイン役の少女マッティ(ヘイリー・スタインフェルド)は「大草原の小さな家」の次女ローラ役のメリッサ・ギルバートに似ているかなと思ったのだが、それはお下げ髪のせいに過ぎなかったかも知れない。それほど美少女というわけでなく、むしろきりっとした面構えが凛々しい。長台詞も含めて演技力も素晴らしく、大の大人に混じって存在感が際立っている。大物女優の出現か。
 父親を殺された14歳の少女が犯人を追跡するため、隻眼の凄腕連邦保安官コグバーン(ジェフ・ブリッジス)を金と弁舌の力で雇う。だが、コグバーンは元泥棒で大酒飲みのグータラな男。信用できないマッティは同行して過酷な西部の原野へ犯人を追うことになる。別件で同じ犯人を追うテキサスレンジャー(マット・デイモン)も加わって。
 少女の一歩も引かぬ強い意志と勇気を見せられて、次第に受け入れ最後には命がけで戦う勇気を見せる二人の男。「トゥルー・グリット」とは(劇中字幕では)「不屈の男」だったが、「真の勇者」で、コグバーンのこととも、マッティのことを指しているともとれる。
 この追跡行で「珍道中」という不適切な言葉が浮かんだ。この言葉自体は滑稽なコメディを指すが、それをシリアスにしたもの、つまり道連れとの不調和・小競り合い、周りの風景の異様な雰囲気などによって展開する道行の珍しさ・面白さが存分に描かれているし、そこはかとなく妙にあっけらかんと明るくもあるのだった。
 西部劇には珍しくもないだろうが、やたらと死体の転がる映画ではある。が、そこにも妙にドライな印象がある。
 映像は美しい。特に印象に残ったのが夜の荒野を馬で疾走し続けるシーン。
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