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初めての「文フリ」 [サブカルチャー]

 今日「文学フリマ」なるものへ初めて行ってみた。テキスト系の同人誌即売会である。
 そもそもこういうイベントがあるということすら最近まで知らなかった(例によってTwitterで知った)のだが、今年でなんと11回目だというではないか(年何回やってるか知らんけど)。迂闊といえば迂闊だろうが、同人誌の世界ってあまり興味が無かったからね、私ゃ。…と言うか、一般に売られている本だけでもとてもじゃないが多すぎるのに、玉石混交の(しかも石の方が圧倒的に多いであろう)世界にまではとても手が回らないと敬遠していた、というのが正直なところなのだ。
 で、こんなツイートを見かけたりして、暇だし話のネタに覗いてみるか、もしかしたら掘り出し物があるかも知れない、とふと思い立った次第。なので、これを機会にオフミをする人達が多いらしいのに、そんな調整は全く出来なかった。自分のTL上でも参加表明していた人は殆ど見かけなかったし…。だから、最初から最後まで知り合いには全く会わず「ぼっち」の参加となった。後で見たらub7637さんが同時間に居たらしいんだけど。モバイルでTwitterしない私の情弱ぶりが露見した。Twitter上では #bunfree というハッシュタグ(それにしてもfleaじゃないのはなんでだ?)が盛り上がっていたらしいし、そこかしこでオフミ状態もあったようだが。
 この手のイベントで有名なのは「コミケ」なわけだ(行ったことない)が、規模はまるで違うマイナーさだ。参加サークル数は540。無料のカタログは3500部用意されたそうだ。場所は蒲田の大田区産業プラザ(結構遠い)。
 正午過ぎに会場に入ると、〈無彩色の世界〉が広がっていた。照明がちょっと暗いせいもあろうが、コスプレなどしてる人は居らず、客も店員も地味な服装の人ばかり。JKなんて居るわけもないJK。うむうむ、これが正しい文学のあり方か、などと思いつつ、遊弋を始めた。
 しかし、勝手がどうも掴みにくい。せいぜい1メートルくらいしかないブース、というより長机を分け合ったちっぽけなスペースがひしめき合い、作品を並べている。そこにびっしりと同人さんたちが控えて客待ちしており、「買ってくれないかなぁ」というすがるような目付きで客の動きを注視しているのだ。ひゃぁ〜、これは気まずい! 大体私は店で店員に寄って来られるのは好きじゃないのだ。目を合わせぬようにしていても執拗な視線が纏わりつくのはちょっと勘弁して欲しい。大体、どんな本が出品されているのか予備知識を全く持たずにいきなり行ったので、お目当てのサークルがあるわけもなく、規模が小さいとは言っても隙間なくたくさん並んでいる会場を前に立ち往生。それでも強引に片っ端から見ていくことにしたが、ちらっと表紙を眺めただけでは、いいのか悪いのか、面白いのかつまらないのか、買うべきか買わざるべきかなんて分かるわけがない。手に取ってみようものなら、例の視線がうざったすぎるし、どーすりゃいいんだ?
 そんな時気がついたのは、奥の別室にある「見本誌コーナー」という表示。行ってみると、各ブース(全部ではない)の展示物の現物がテーブルに並んでいて自由に立ち読み出来るようになっている。これだと店員の目を意識せずに落ち着いて中身を見る事ができる。いいやり方と思えた。で、端から回って目についたものを手にとってパラパラとめくったりしてみたが、うーむ、いまいち面白そうなのがない。いや、どれもこれもそれなりに面白そうではあるのだが、金出して買おうという気になるものはなかなか無かった。と言うか、ちらっと見ただけでその判断は出来ない、というのが正直なところだった。傾向としてはラノベっぽいのが多いのかな、と感じた。やはり時流を反映しているのだろうか。あとは大学の文学系サークルとか。エログロ系の危なそうなのは殆ど無かった。
 そこでさらに奥の方に「自由にお取り下さい」のコーナーがあってたくさん並んでいたのを見つけて、これ幸いと片っ端から中身のありそうな(チラシでない奴)を手当たり次第いただいた。我ながら情けない所業ではある。
 それにしても、沢山の書き手たちのそれぞれに思いのこもった膨大なテキストの塊の累々たる様は、目眩をおこしそうな、ある種の重量感圧迫感があり、「酔い」を誘う効果がある。
 さらに2階の別会場にも行って物色。ここで2冊買った。大きな書店なら置いていそうなややメジャー寄りの雑誌で
 「新文学03--革命×ネット×21世紀文化のエグいコンテンツ」(800円)
 「クリルタイ--インターネットと人」(700円)
の値段が高めの雑誌である。100円程度のものも多かったのだが、いまいち買う気になれなかった。
 さて、最後に唯一知っていたサークルである件の内藤みか氏の関わるTwitter本のブースに行ってみた。そこで電子本販売されていたリストの中から@bttftag氏の自選SF作品集を買うことにして、メールアドレスを登録する手続きをした。この人の#twnovelはとても面白いので、リスペクトの意味を込めた投げ銭的な意味合いで買おうと思っていたのだ。
 ところが、なんと言うことか、会場を後にしてしばらく歩いた後で、〈金を払っていない〉ことに気がついた。メールでURLが送られるので、そこにアクセスしてダウンロードする手順とかフォーマットがどうとかいう話をしてる間にすっかり支払いを忘れてしまったのだった(相手も)。これでは、仮にメールが来ても使うわけにはいくまいな、それじゃ電子万引きになっちまうし、と思いつつ帰宅したら、メールは届いていない。つまり、金払ってないのがわかってキャンセルされたらしいのだな。やれやれ、背徳の誘惑にさらされずに助かった、と思うことにしよう、残念だけど。

タグ:文フリ
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