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「死者のための音楽」(山白 朝子) [ファンタジー/ホラー/ミステリ]

Twitterでub7637さんから勧められたので、その場で図書館にアクセスして予約すると、1番をゲット!(「人気少なっ!」とコメントあり)で、早速借りて来れたので読んでみた。
山白朝子短篇集 死者のための音楽 (幽ブックス)

山白朝子短篇集 死者のための音楽 (幽ブックス)

  • 作者: 山白 朝子
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2007/11/14
  • メディア: ハードカバー

「幽」というホラー専門誌(らしい)に掲載された短編を編んだもの。出版社はラノベ専門だっけか?
久々のホラー。でもないか。以下各話の内容。

1話 長い旅のはじまり
 強盗に父を殺された少女を保護した住職が語る不思議な話。説話的世界。
2話 井戸を下りる
 井戸の下に住む不思議な美女との運命的出会いと驚愕の展開。さらに幻想的。
3話 黄金工場
 謎の工場の廃液が生き物を黄金に変える。エロスとタナトスの混合した世界。
4話 未完の像
 彫ったものが生きて動き出す、異様な彫刻の技を持つ少女、実は人ならざる者が仏像を作ろうとする。恐ろしく凄惨にして美しい運命。
5話 鬼物語
 鬼が村を襲う。不条理な無差別殺戮の暴力そのもの。姉と弱虫な弟の意外な行動。
6話 鳥とファフロッキー現象について
 種類の不明な謎の鳥が怪我していたのを助けた父と娘。一緒に暮らして起こる怪現象。父の殺害。鳥のもたらすファフロッキー現象が起こり、やがて犯人との対決。
 ubさんも言ってたが、確かにこれが一番面白かった。
7話 死者のための音楽
 怪奇度は小さい。臨死体験時に聞いた(幻聴?)究極の安らぎをもたらす音楽への懐かしさ、その魅力に囚われ続けた女の人生。個人的にはこれが一番好き。

 総じての印象はいい雰囲気を出しており、文章も読みやすくなおかつ深みを持っている。新人にしてなかなかの力量がある、と見た。まぁ説明不足気味ではあるし、結末の未完感もあるのだけれど、それを求めるのは無粋ってものだろう。余韻を楽しむ小説で、怪しい世界を堪能できる。
タグ:ホラー
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コメント 1

ask

Twitterで聞いた追加情報。
この作者は乙一氏で、変名での執筆とのこと。
どひゃぁ〜!
乙一って短編集1冊しか読んでいないんだけど、ちょっと雰囲気違う。まぁだからこそ変名なんだろうけど。
by ask (2010-09-29 17:39) 

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