「建てて、いい?」(中島 たい子) [小説]
アラフォーの独身女性が、自分ひとりで住むための家を建てる話。
以前読んだ「漢方小説」の作者の小説。たまたま図書館で目について借りたら、「週刊ブックレビュー」に出演してて、なんともシンクロニシティー! 最近講談社文庫でも出ているようだ。
アパートの階段で滑って怪我をして、そういう生活から抜け出そうと、まずは結婚しようかと考え見合いしたりするが、うまく進まず、「そうだ家建てよう!」と思い立つ。結婚して家庭を営むため(建売住宅の展示場ではそれがデフォルトになっていて、違和感を持つのだが)ではなく、あくまでも自分自身のための独居用住まいを。
独身女性でも家を買う人が出てきているという話は随分前から耳にはしていた。人それぞれではあろうが、女性の婚姻率も下降しているので、これからこういう女性は増えるのかも知れない。そこまでの財力はなかなか難しかろうけれど。
この小説の場合は、親所有の辺鄙な土地を貰えるなど、幸運な条件が設定されていて、その辺はあっさりとクリアされている。さもないと話が進まない。とは言え多額のローンは抱えることになるのだが。
話の核心は、家(住宅)というものについての考え方、自分の好みを追究する設計デザインの問題だ。たまたま見かけた〈ヘンな家〉に心惹かれたところから、主人公の「こだわり」が燃え上がる。そこにやや都合よく、施主のキャラを深く理解して、それに合わせた設計案を提示出来る建築事務所と出会う。一種王道の展開。結果出来上がった家は、相当な代物なのだが、まぁ本人が幸せならそれでいいのだ。
なかなか興味深かった。のびのびと生きる女性のライフスタイルをリアルに具現していて、後味はいい。
以前読んだ「漢方小説」の作者の小説。たまたま図書館で目について借りたら、「週刊ブックレビュー」に出演してて、なんともシンクロニシティー! 最近講談社文庫でも出ているようだ。
アパートの階段で滑って怪我をして、そういう生活から抜け出そうと、まずは結婚しようかと考え見合いしたりするが、うまく進まず、「そうだ家建てよう!」と思い立つ。結婚して家庭を営むため(建売住宅の展示場ではそれがデフォルトになっていて、違和感を持つのだが)ではなく、あくまでも自分自身のための独居用住まいを。
独身女性でも家を買う人が出てきているという話は随分前から耳にはしていた。人それぞれではあろうが、女性の婚姻率も下降しているので、これからこういう女性は増えるのかも知れない。そこまでの財力はなかなか難しかろうけれど。
この小説の場合は、親所有の辺鄙な土地を貰えるなど、幸運な条件が設定されていて、その辺はあっさりとクリアされている。さもないと話が進まない。とは言え多額のローンは抱えることになるのだが。
話の核心は、家(住宅)というものについての考え方、自分の好みを追究する設計デザインの問題だ。たまたま見かけた〈ヘンな家〉に心惹かれたところから、主人公の「こだわり」が燃え上がる。そこにやや都合よく、施主のキャラを深く理解して、それに合わせた設計案を提示出来る建築事務所と出会う。一種王道の展開。結果出来上がった家は、相当な代物なのだが、まぁ本人が幸せならそれでいいのだ。
なかなか興味深かった。のびのびと生きる女性のライフスタイルをリアルに具現していて、後味はいい。
作風の軽快さは天性のもの。
だからか?、幸運な条件が設定されてるのかな。
中島たい子さんご自身の事を書いてあるサイトに
出会って、そんな気持ちになりました。
http://www.birthday-energy.co.jp
そういえば中島たい子さん、『ぐるぐる七福神』という
新作が出てるみたいですね。
実は元々備えている天性の明るさとバランス感覚を生かして、
これからも作品を作ってほしいですね。
by たけお (2011-10-29 19:05)