「許されざる者」(辻原 登) [小説]
1年近く前に出版(それ以前、2007.7〜2009.2 毎日新聞に連載)されて、かなり評判になった小説。NHKのBS「週刊ブックレビュー」で取り上げられて、読みたいと思っていた。明治、日露戦争当時を舞台にした〈大ロマン〉。
詳しくは朝日新聞や読売新聞の書評を参照。
上下2巻の大作だが、長さを感じさせない、波瀾万丈の面白さ。近代化へひた走る当時の時代風潮や日露戦争を背景に、19世紀小説的な要素つまり「姦通小説」を見事に構築している。
この主人公のモデルになった大石誠之助という医師のことは迂闊にも知らなかった。その経歴や活動などはかなり忠実に描かれている。もっとも、こんなにカッコ良かったわけではないみたいだし、結末では本物の方は死刑になったのに対して、…おっとネタバレ禁止!
久しぶりに大河小説的大ロマンを堪能した。女性の描写が上手い。男性作家の書く恋愛小説としては、いい線いってるかも?
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