なぜ沖縄のおばぁは長生きで、東京の女性はそうでないのか？

もちろんさんのブログで男女の寿命の地域別ベスト５比較の記事があったので考えた。
　長生きなのは女性では沖縄で、男性では神奈川・東京。
というのだが、ここから何が読み取れるのか考えてみたい。
　以前から沖縄は男女ともに長命、という印象を持っていたのだが意外だった。いや、最近食生活が変わって来て沖縄の男性にはメタボが増えて寿命が急落している、という報道は目にしていたので、男性については沖縄がランク落ちしたのはさもありなん、ではあった。一方、女性においてはその座を維持している。
　他方で、東京で男性が上位を占めているというのもよくわからない。都会というのは自然は無く、空気も悪く、ストレスも多く、あまり健康的な環境とは思えないのだが、なぜ長命なのか？　それでいて女性はランク外と、性差がこんなにあるのはなぜなんだ？

　寿命統計とは極めてマクロな、関係する要素が沢山ある現象に関するものであり、社会のあり方そのものの現れである。気候風土、食生活、医療、福祉、労働、住居など物質的なものから家族関係、生きがい、宗教、趣味など文化・精神的な領域にまで及ぶ、いわばヒト社会の総体が反映するものと言って過言ではない。
　つまり単純に経済だけでは説明出来ないことは、最も平均収入が低い沖縄が（女性のみとは言え）トップであることからも明らかであるし、経済的に恵まれているように思える東京でもその恩恵は女性に及んでいないことでも同様だ。
　つまり〈寿命〉というものはより文化的な事象なのであると、ここに仮説を立てることが出来る。

　ここで飛躍してしまうが、沖縄で連想したのは、以前ＮＨＫの朝のテレビ小説として放映された「ちゅらさん」である。あのドラマで描かれた沖縄の〈おばぁ〉の逞しさ・生命力と、対する男どもの情けない腑甲斐無さとの対照の妙を思い出させられたのだ。
　つまり沖縄のおばぁは強い！のではないか？　尊敬もされている。（あの「痴呆老人は何を見ているか」でも、沖縄の敬老文化に触れ、東京よりも鬱やせん妄が格段に少ない（というより皆無）ことが報告されている。）
　対して、東京とは「人類で最も有害なのは、生殖能力を失った後も生き続けるババァだ」と公言する輩が圧倒的支持を得て知事に再選されるような土地柄なので、東京の女性が長生きできないのも、肩身が狭いゆえの当然の帰結ではないかとも思える。つまり、東京ではおばぁさんは尊敬されないどころか、疎まれ、蔑まれているのである。これこそが、東京の女性の短命（とまでは言えず、それでも女性は男より生理的に強いのが本来なので男よりは長生きなのだが）の理由である、とするのは牽強付会であろうか？

コメント 4

例の描写は『太陽の季節』ですね。

私は年齢を考える時に一つ注意しなければならないことがあると思います。それは、宇宙の星の光を見ているように、現在の老人達の生まれた時の環境は現在と異なる、つまり数十年の時間差がある、それを前提に分析せねばならないと考えます。現在の高齢者が育った時の気温、環境、食料、精神状態、親子関係、近所関係、世界の情勢など、変数は沢山あります。単純に現在の沖縄に長寿が多いと言うことで、沖縄に移住しても、ストレスが溜まるだけかもしれません。

沖縄はウチナーグチをしっかりと守らねば。珊瑚を守らねば。

現在の日本は長寿国になっていますが、30年後は分かりません。医療技術は進むでしょうが、長寿で生きている人よりも、生かされているにすぎない人が増えているかもしれません。



by アヨアン・イゴカー (2008-04-27 19:14) 

アヨアンさん、お久しぶりです。コメントどうも。
>数十年の時間差がある
うんうん、それは確かに言えますね。
誰だったか、「戦中戦後にかけて幼少期を過ごした人たちは、栄養不足で血管が弱いので短命だろう」と言う説がありましたし。
そういう歴史的条件は勿論大きいですね。

>生かされているにすぎない人が増えているかも
いや、それどころか老人は〈生かされない〉時代が既に始まっているんじゃないかと思いますが。


by ask (2008-04-27 21:48) 

えー補足です。
当初の記事の末尾部分は
穏当を欠く表現がありましたので
削除しました。
by ask (2008-04-28 00:09) 

こんにちは。引用ありがとうございます。地域別統計というのは、非常に扱いにくいものですね。戦後、激しく都市部への人口流入が発生しましたが、こういう統計では、その影響が良く分かりません。今度、ちょっと勉強してみます。
by もちろん (2008-04-29 03:11)