「新釈 走れメロス 他四篇」(森見 登美彦) [小説]
森見登美彦の作品を読むのは「夜は短し歩けよ乙女」に続いて2作目。今年3月に出ていたので、随分遅くなったが。
日本文学の名作小説にモチーフを借りての創作で、本歌取りというかパロディというか。5作品のうち私が読んでないのは「百物語」だけなので、オリジナルを知っているという意味での味わいの深さというものはあるのだろうが、それにしても件の「夜は短し…」の世界をそのまま持って来たぶっとんだ設定で、一種続編というかシェアードワールドというか、「詭弁論部」をはじめ、親しみのある人物や背景が総動員されている。なので、楽しく読めたものの、やや遊び過ぎの感は否めない。
〈黒髪の乙女〉に再会出来なかったのはちょっと残念。
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