反転するメルカトル [表面積]
duznamakさんのブログで南極点での「北枕」回避問題という難問の話を目にして、私が思い出したのは、以前考えた「足を向けて寝られないほどの恩人が地球のちょうど反対側に居たら困る」という問題だった。地球の反対側とは、どの方向に進んでも地球を半周するとそこに到達するわけだから、どっちを向いて寝ても結局その相手に足を向けることになるからである。(別の変形バージョンとして、メッカの反対側にいるイスラム教徒はどこでも任意の方角に向かって礼拝してもOKではないか?てのもある)
もっとも、地球の表面積の7割は海だし、しかも南半球においてはさらにその比率は大きいので、そういうケースに該当する場合というのはそんなに多くないと思われるのだが。ちなみに日本全土の反対側は全てアルゼンチン沖の海の中にある(と思う)。
そこで、世界各地の反対側というのはどこにあるのか、そこは海なのか陸なのかというのを考えてみよう。緯度は簡単だ。南北を逆にすればいい。北緯38度の反対側は南緯38度だ。(北緯0度の赤道の反対側は南緯0度でやはり赤道だし、北緯90度の北極点の反対は南緯90度の南極だ。)
経度はそうはいかない。東西を入れ替えても正しいのは東(西)経90度の地点だけだ。経度については、180から経度の値を引いて東西を入れ替えればいいというのは考えればすぐわかる。
さて、こんな計算をしなくても、どこの地点でも直感的にその反対側がわかる方法を考えた。
まず、メルカトル図法の世界地図を用意する(位置決めを正確にするために、赤道と0度と180度の経線を入れておく)。Photoshopでそれを読み込み、別のレイヤーにコピーし、上下反転する。さらにそれを縦割りで二分割し左右を入れ替える(厳密には左右の海部分が端折られているので微調整が必要)。そして両レイヤーを重ねて半透明で表示する。赤の元地図と青の反転図が重なってマゼンタに見える場所が互いに反対側の陸地を持つ部分である。
…と、ここまで考えたのはいいのだが、素材として適当な白地図がネット上でうまく見つからない。理想としては国境はなくてもいいが、国名とかの文字は邪魔なので不要。海と陸が色分けされているものが良いのだが、これがなかなか見つからない。というわけでアイディア段階にとどまっている。誰かやってくれないかな。(世界地図の上でマウスをクリックすると対応する反対側の地点にマークが表示される、というソフトならなお良いが)
お詫びと訂正:
「ユニバーサル横メルカトル」は小縮尺の道路地図などに使われる手法だというのを今更ながら知りました。世界地図は違いますので、タイトルを変更します。
by ask (2007-12-15 09:04)