「新・UFO入門」(唐沢俊一) [サブカルチャー]
世界と日本でのUFO騒ぎの歴史を概観出来る、結構力の入った本である。
UFOというと、なんか懐かしいレトロな感覚がある。私は元々UFOなんて眉唾と思っていたが、それでも以前のUFO真っ盛りの頃には「もしかしたらひょっとして」という気持ちが3%くらいはあったかも知れない。なので、全く客観的に読むというのでなく、若かりし頃の恥ずかしい行為を蒸し返されているような気も少しはした。でも、やはりここに克明に描かれた日本でのUFO信者の活動のトンデモぶりは、常軌を逸している。
結局なされ得なかった科学的検証なのだが、著者はそういう実証科学的側面のことよりも、むしろ南米などで今でも日常化しているUFO体験のいかがわしさ120%のあまりにも馬鹿らしい話の方にむしろ注目する。UFOの真実はそういうウソの方にあると言うのだ。要するに、人間心理の中にある神秘やロマンへの憧れであり、かつまた現実への不安や軋轢に起因する心の反応である、と。
著者のこの冷静な分析はなかなか説得力がある。
>UFOが飛んでいるのは空ではない。空を見上げるわれわれの、脳の内部を飛んでいるのである。はるかな虚空に向かって。
という〈美しさ〉さえ醸す記述には人間という愚かにしていとおしい存在への愛があるだろう。で、
>現代人があまりUFOを見ないのは、未来を夢見ることが出来にくくなっているからではないのか。そんな気がする。
と、最後が「気がする」ではちょっと弱いのだが、まぁそんなところではあるだろう。時代はますます閉塞しつつあり、UFOという夢さえ無くなってしまっているのかも知れない。代わりにスピリチュアルなどという内向する傾向が現れているのかも。
こんばんは。私はUFOのことはよく知りませんが、しばらく前にXファイルというドラマが流行って、よく見て楽しんでいました。あのドラマにはUFOとアブダクションの話がよく登場しましたが、目撃するかどうかは別にして、また、別に未来をみるかどうかは別にして、SF小説や映画、ドラマという娯楽の中で、UFOは面白い題材だと思います。
by もちろん (2007-06-12 01:21)
こんな本が出てるんですね。知らなかったです。
>UFO信者の活動のトンデモぶりは、常軌を逸している。
集団自殺したヘブンス・ゲートや、自宅水中出産で死亡事故を起こした育児文化研究所のようなUFOカルトになってしまったら、おしまいですもんねぇ。
UFOファンの僕としては、「UFO=宇宙人(しかもグレイ・タイプ限定)の乗り物」という説ばかりになってしまった現状が嘆かわしかったり・・・。
そういえば、ラエリアンが作ったクローン人間たちは、その後どうなったんですかね? もう5歳ぐらいになるのかな?
by duznamak (2007-06-12 05:16)
UFO、確かに懐かしい響きがありますね・・・ツチノコとかイエティとかと同類項の懐かしさ。日本でもUFOを見た、という話は結構特定の県に集中しているとか。面白いです。
by michaela (2007-06-12 21:18)
>UFOは面白い題材
確かに。
>UFOファンの僕
あはーー、やっぱり!
>ラエリアンが作ったクローン人間たち
ってホントなんだっけ? テロメアはどうなってるのかな?
そう言えば、あの「白装束集団」も行方は杳として知れず…。
>ツチノコとかイエティ
これまた懐かしい。
UFO出現率の高い県ってどこだっけ?
by ask (2007-06-13 00:12)