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「少子社会日本」 [ノンフィクション]

少子社会日本―もうひとつの格差のゆくえ

少子社会日本―もうひとつの格差のゆくえ

  • 作者: 山田 昌弘
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2007/04
  • メディア: 新書

少子化問題について極めて明解にその原因を分析した本である。
 その原因は経済的条件にある、と断言している。ちょっと【下部構造】に偏重した理論のようにも見えるかも知れないが、読んで行けばそれも納得出来る。
 著者は「パラサイトシングル」概念を提唱した人である。今回の本でもそれは重要なキーワードとなっている。極めて簡単に要約すると、
 「低成長、さらにニューエコノミーの浸透により、若者が将来的な収入増加見通しを持てなくなり、また非正規雇用も増え、「結婚後の生活レベルを落とさざるを得ない」状況に直面しており、パラサイトシングルとなって、女は〈高収入をもたらす=現状以上の生活が約束される男性〉の出現を親元で待つことで結婚を先延ばしにし、男はそのような目処が立たないためいつまでも結婚出来ない。」
ということである。
 「仕事が好きで辞めたくないので結婚しない」女性というのは(勿論居ないことはないだろうが)、殆ど例外であり、多くの女性は高収入の男性と結婚出来れば今の(特に単純な)労働は辞めたいと思っている、と言うのだが、私もそれには納得する。
 処方箋も明快に示されているのだが、今の日本の政権や官僚にはとてもなし得ないことばかりのようで、日本の少子化は止まらないだろう。


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