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質問掲示板における〈釣り〉質問 [サブカルチャー]

インターネット上には多くの「質問」あるいは「相談」つまりQ&Aサイトがある。
 主なところで「教えてGoo」、「Yahoo!知恵袋」、「OKWave」、「読売新聞・発言小町」などだが、覗いてみると実に沢山の人達が参加して問答を繰り広げていて面白い。どんな質問でも何人もの人達が回答を寄せてくれ、その中には大抵必ず誰かしら適切有益な回答を書いてくれるという、あの善意の仕組みは、インターネットという「広汎な知の集積場所」のとても有用な使い方だろう。
 私は一時期、このブログを始める前「Yahoo!知恵袋」にハマっていたことがある。一昨年の7月から昨年の5月までで、今でもまだ痕跡が残っており、先ほど確認したら、総質問数118件、回答総数3,777件だった。この数字からわかるように、私は〈主に回答する派〉で、専ら興味のある質問に自分の知識を動員して回答する方に力を入れるタイプだった。一方で〈回答よりも質問する派〉の人も居て、多い人は毎日何十個もの質問を矢継ぎ早に繰り出して、よくまぁそんなに質問を考えつくよなぁ!と驚嘆していた。ま、そんなに作ると、当然あまり意味の無い質問が多くなって、「お前なぁ!」と思わされることも多いのだが。
 で、その〈質問派〉の中で時折現れる「困ったちゃん」が、いわゆる〈釣り〉質問である。これは、その名の通り「回答を釣るために意図的に作られた質問」であり、質問者が本当に抱いている疑問ではなく、嘘のいたずら質問である。例としては
〈読者を挑発するような偽悪的居直り的言辞〉
〈いかにももっともらしいが、かなり極端で不自然なシチュエーション〉
 などがある。
 大体そういうのは一目で見分けがつき、誰かが「こりゃツリだよ!」と指摘するのだが、純朴なユーザーはすっかり信じ込んで真面目に一所懸命に考えて回答を寄せたりしているのだ。
 こういうことをする心理は一体どんなのだろう?
 よほど暇を持て余しているのは間違いないが、さらに加えておそらく「寂しい」人間なのだろう、というのは想像がつく。誰でもいいから反応して欲しい、まともなコミュニケーションでなくてもいいから、とにかく回答が欲しい、という心境ではないか? もしくは、人を騙して右往左往させて喜ぶという愉快犯的な歪んだ人間性の場合も多いように思われる。どちらにせよ、間違った使い方には違いない。
 私が「Yahoo!知恵袋」を撤退したのは、そういうのに嫌気がさしたから、ではなく(んなもなぁ無視すりゃいいだけの話)、最後に書いたある質問が事務局によって問答無用に削除されてしまったことに立腹したためである。
 その質問とは、私が参加していたカテゴリー「教養と学問・サイエンス」で何度も何度もなされる質問(つまりFAQ:例えば「宇宙には果てがあるのですか?」とか「なぜ信号機の青は緑なのに青なんですか?」とかの類)を集約して一覧形式で示し、他のカテゴリの動向を教えて欲しい、というものだった。FAQには正直ウンザリしていたので、これを示せば無駄な繰り返し質問が減ると思ったのである。これが、事務局で「違反質問」(マナーに反する、著作権を侵す、などの場合に相当する)と見なされたらしいのだが、本来事務局が提供すべきデータの作業を怠っていたのをユーザーの自助努力でやっただけなのに、いきなり削除するという仕打ちには到底承服出来ず、撤退することにしたのだった。
 ま、それまでも感じていた、〈質問と回答という表現形式では、自分の書きたいことが自由に展開出来ない〉というのもあって、ブログの方に移ったのだが、時には質問もしたくなることは今でもある。


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もちろん

すごい。やはりインターネットは知恵袋ですね。askさんのように物知りで、それでいて良心を持った人たちが意外にたくさんいるということですよね。私もしょっちゅうインターネットを利用します。本当に便利な世の中になりました。とろろで、「宇宙には果てがあるのですか?」という質問は面白いです。宇宙には果てはあるが、体積は有限であると思っていたのですが、誤解でしょうか?  ま、果てがあってもなくても、私の人生には何の関係もありませんが・・・。
by もちろん (2007-05-14 02:06) 

plant

こんにちは。先日はコメントをありがとうございました。(岩波新書への苦言の件)
最近の記事を拝見いたしましたが、「言葉」カテゴリーの記事が特に面白いですね。
by plant (2007-05-14 02:42) 

ask

>askさんのように物知りで、それでいて良心を持った人
いや、あの、それは褒め過ぎで、基本的には自分で書いてて楽しいから書くんですね。勿論他人様の役に立つのも嬉しいですが、それより〈自分が面白いこと〉が優先です。なので、書き込みの半分くらいはジョークだったり、脱線だったりします。
> 宇宙には果てはあるが、体積は有限であると思っていた
「果ては無いが…」ではなくて?
これについては別記事を書こうかと思います。そのうち。
by ask (2007-05-14 22:02) 

ask

plantさん、いらっしゃいませ。
いつも拝見してました。凄い読書の量と質に圧倒される思いでいました。
> 「言葉」カテゴリーの記事が特に面白い
有り難うございます。〈言葉〉って本当に面白いですよね。
今後ともよろしくお願いします。
by ask (2007-05-14 22:11) 

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