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配偶者に先立たれた後の生存年数における男女差 [サイエンス]

 妻に先立たれた男はあまり長生きせず、逆に妻が残った場合は長生きする、という話を聞いたことがある。
 統計的に本当なのかどうか分からないが、いかにもありそうな話ではある。統計では女性の方が平均寿命は長く、また夫婦は男の方が年上のケースが多いだろうから、寡婦の数の方が寡夫より多いのは当然であり、冒頭に述べた現象はそれだけでも十分説明がつく。げに「女は強し」と言うべきであろう。
 しかし、この話は「夫婦関係のあり方」というものについて、示唆的なものを多く含んでいるという気がしてならない。伴侶を失うことによって被るダメージというものに、男女差があるのではないか? 結婚によって享受するメリットに男女差があるのではないか?などと。
 「夫よ、あなたが一番ストレスです」という題名の本があった。ある新聞の家庭面で、やたらと怒鳴り散らす夫への反感を綴った投書に共感の声が続いたこともあった。熟年離婚の増加の裏には、長年夫に虐げられて来た妻たちの反乱という側面が見える。
 世代的要因もあるだろう。この現象は60歳以上の高齢者の間で起こっていると思われ、その世代は男尊女卑、亭主関白が主流の価値観、ライフスタイルの世代なのではないか? とすれば妻の側が余計にストレスにさらされていたであろう。そういう抑圧の下に成立していた結婚生活って、妻には勿論、夫にとっても幸福なものだったと言えるのだろうか?
 さだまさしの「関白宣言」という歌に「俺より先に死んではいけない」という一節があったが、これは普通、妻をいたわる優しさのように受け止められているのだろうが、実は「俺が死ぬまで奉仕しろ!」という押しつけなんじゃなかろうか?


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