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「少女不十分」(西尾 維新) [ファンタジー/ホラー/ミステリ]

西尾維新を読むのは初めて。勿論名前や売れっぷりは以前から知ってはいたが、なぜか読む気が起こらなかった。ラノベっぽい、というのもある。アニメ化されたもの(「化物語」とか?)も観ていない。

少女不十分 (講談社ノベルス)

少女不十分 (講談社ノベルス)

  • 作者: 西尾 維新
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/09/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 たまたま図書館で、見かけてふと読んでみようかという気になったのは、これがまともな彼の作品系列からは外れてる印象があったためだ。本格的に《入門》する気はないので、そういう「変則的」な位置づけの本のほうがふらっと読むのにふさわしいような気がしたわけだ。
 実際、冒頭の長すぎる(5章にも渡る)《自分語り》を見ても、これは小説じゃなくて、むしろノンフィクション、手記ではないか?と思われた。形の上ではあくまでも、著者が実際に体験したこととして書いてある。つまり、

>悪いがこの本に粗筋なんてない。これは小説ではないからだ。…これは昔の話であり、過去の話であり、終わった話だ。記憶もあやふやな10年前の話であり、どんな未来にも繋がっていない。いずれにしても娯楽としてはお勧めすすめできないわけだが、ただしそれでも、ひとつだけ言えることがある。僕はこの本を書くのに、10年かかった。

…ということなのだが、いやしかし、すっかりその気になって読み進めたら、とんでもない展開になる。なんと小学4年生の女の子に拉致されて10日間も監禁されるという、あり得ない展開だ。つまりこれは、やっぱりフィクションではないか! それに辻褄の合わないところもある(二昼夜にわたって便意を催さない、というところ)。

 まぁ、別に「裏切られた」という感じはしないし、異様な話はエンタメとして面白いのでいいのだが。逆に、最初の作者の《自分(=変人)語り》がどれくらい本音なのかわからなくなってくる。極めてリアルで正直な文章に見えるので。

 これ以上ネタバレしては《小説》に対しては掟破りなので、ここまで。
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