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「ヒミズ」 [映画]

園子温監督作品で観るのは、「冷たい熱帯魚」「恋の罪」に続いて3作目。
 都心部の箱では大量動員してるらしいし、Twitter上でも、人気が高い(かなり批判もあるけれど)のだが、17日(火)亀有Ario内MOVIX午後4時からの回の入りは悪く、15人くらいしか居なかった。

※ 以下ネタバレあり。





















 染谷将太と二階堂ふみ新人二人の演技はまさに〈体当たり〉で、殴られたり、叩き合ったり、引きずり回されたり、池の中や雨でずぶぬれになったり、迫力があったし表情などもいい。ヴェネチアで新人賞W受賞も頷けるのだが、園子温の演出の暴力的過激さは相変わらずで、いささか食傷してきた、というのが正直なところ。
 映像の〈物理的〉な迫力に押されっぱなしで、特にラストの二人の疾走場面などは感動的なので、まぁいいかと思ってしまうのかも。よく考えると釈然としない点が多いのだ。

 原作漫画は読んでいないが、どうもストーリー展開に無理がある。設定が極端なのはまぁいいとしても、ご都合主義が臭う。

●なんであんなに殴られても全く反撃しないのか?●あの近辺の通り魔の発生率が異常に高くないか?●ホームレスの一団はどやって食ってるのか?●学校の先生とか児童相談所はあの家庭に何も対応しないのか?●二階堂の家庭環境の異常さが中途半端にスルーされちゃって、あの子の素直さと整合しないような。●津波被災地瓦礫のストーリー上の位置づけが分からない。取って付けた感。●幻影と実際との違いが不分明だったりする。ピストルは最初から出てくるが、タイムラインが乱れてないか?●通り魔事件に巻き込まれたら警察に事情聴取されたりするだろうに。●渡辺哲の役って、小心なのか冷酷なのかどっち?●二人が抱き合わないのは不自然。●警察は動かずに自首を待ってくれるのか?
…と、どうも釈然としない展開で、なんかちぐはぐなのだ。よく分からないというのが正直なところ。

 キャストがいつもの〈園子温一座〉というのも、何だか前作とイメージがかぶりすぎて素直に見れない。あの監督ではなかなか既存の俳優とは馴染まないんじゃなかろうか?という気もする。敬遠されたりしてキャスティングが自由にできないとかだったりするんだろうか?

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