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「英国王のスピーチ」 [映画]

 アカデミー賞の作品、監督、脚本、主演男優、と主要な賞を総なめの四冠に輝いて俄然注目作となったこの映画(→公式HP・イギリス・オーストラリア合作)。もっとも、私はその受賞決定の前に今月のファーストデーに見に行くのはこの作品と決めていた。TOHOシネマズ西新井13:00〜の回。数日前の入りは散々だったらしいが、状況が変わっての今日は平日にもかかわらず、6割くらいは入っていた(満員とまでは…まぁ午後早くだったし)。
 現エリザベス女王の父ジョージ6世(アルバート、演じるのはコリン・ファース)に、こんな話があったなんて知らなかった。その兄のエドワードのシンプソン夫人との「王冠を賭けた恋」の方は有名なので知っていたが、私のイメージ(地位より愛を選んだ)よりだいぶ下世話な状況だったようだ。
吃音障害に苦しむアルバート王子の治療は幾度もうまくいかず、最後にめぐり合ったオーストラリア出身の言語療法士ライオネル・ローグ(ジェフリー・ラッシュ)による、困難な治療の闘いが描かれる。対等な人間関係の構築による信頼と友情。そして対ナチス戦に際して国民を鼓舞する重要演説を見事にこなすという大団円。非常にストレートなストーリーで美しい話だ。
 二人の関係が徐々に深まっていくところ、音楽を聞かせながらスムースに話させたり、呼吸法や運動療法、汚い罵詈雑言を吐き出させる手法などは興味深い。
 しかし、器質的原因でなく、幼児期のトラウマ(利き腕やX脚矯正)による心理的要因があったことが分かっても、それを克服する精神(認知)療法的なものは示されておらず(当時はまだそういうものはなかったのだろうが)、あくまでも信頼の上での練習の積み重ねのようだ。
 しかし、あの重要演説を生でやったというのは驚きだ。原稿の内容自体よく出来てはいたのだろうが、聴衆の賛辞は「よく読めた!」的なものもかなり含まれていた筈。でも、それは決して冷笑すべきではなく、その努力と勇気に拍手すべきだろう。
 コリン・ファースの吃音や悩みの演技は確かに素晴らしく、主演男優賞を受けたのは頷ける。役作りには相当苦労したようだ。


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