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「アバター」 [映画]

今頃になって、やっと「アバター」を観た。昨年暮れの公開直後から Twitter 上で大評判になっていて、観るつもりではいたのだが、ついつい伸び伸びになっていた。予約をしないといい席が取れないらしい、というのが面倒だったてのもある。なぜいい席が必要かといえば、〈3D〉効果をちゃんと味わうには、端の席ではまずかろうというわけだ。
 そろそろ見に行かないと終わってしまうかも、という頃合になってきたので、映画「アバター」オフィシャルサイトで、予約をしてでかけることにした。ここで、どこの劇場へ行くかを選ぶ際に参考にしたのが、
『アバター』3D全方式完全制覇レビューである。いやぁ〜このレポートは凄い!大変な手間をかけている。ほんとにお疲れ様でした、ありがとうと言いたい。
 これを読むと、方式により相当な差がある。絶対に最高評価のiMAX方式で見なくては!と思った。となると、選べる劇場は限られる。川崎か菖蒲の109シネマズしかない。どっちも遠いけれど、菖蒲へ行くことにした。こっちの方が空いていい席も取りやすいだろう、と。
 で、翌日午後1時半から上映の予約入力をして確認メールが来たのを見たら、愕然とした。「オーシャンズ」の予約をとってしまっていたのである。同じシネコンで同時上映中の。最初のクリックから間違えていたのだ!そしてキャンセルは不可能。なんというボケ!
 まぁ、しかたない。「オーシャンズ」も良さそうなので観たいと思っていた映画だし、今回はそれにして後日出直すか、と思い直して出かけた。
 で、「オーシャンズ」はなかなか良かった。苦労して撮影したと思われる美しい映像が満載だ。
 それを終わってから、改めて受付カウンターに行って「アバター」の吹き替え版の上映はどうなんだろうと見ると、5時20分からの回がある。2時間待てば観れると思いつつ訊いてみた。「いい席取れますか?」。すると、「今日は空いてるので取れますよ」というではないか!ならば、後日出直すことはない、今日観てしまおう、と決めて、チケットを買った。席はi列23番、ほぼ中央だ。
 というのも、この菖蒲の109シネマズという場所、めちゃくちゃ遠くて、時間も交通費もかかるのだ。片道700円の電車賃+バス代340円!(往復2080円)。とてもじゃないが、何度も来るわけにはいかない。
 大体あんな辺鄙なところに、あんな巨大なショッピングセンター(モラージュ菖蒲)があったとは驚き。車で行くことを前提にしてる(巨大駐車場がある)ので、駅の近くに作る必要はなく、地価の安いところにドカンと建てる、ということだろうけど。
 「ゼロ年代」論議のキーワードの一つ「郊外」とは、これか!と今頃気がついた。ああいうところにいったのは初めてだったので。盲点もいいとこだった。
 土日には相当賑わうのだろうが、平日だったので、閑散としていた。だから劇場内もガラガラで、席の埋まり具合は2割くらいしか無かった。

 前置きが長くなりすぎた。感想である。(ネタバレあり・注意)

◆ ◆ ◆

 3D映像は、確かに凄いんだけど、事前にあまりにも「すごいすごい」と Twitter上で聞きすぎたせいか、期待値がハンパなく上がってしまっていたので、実際に見るとちょっと、「それほどのもんでもないなぁ」などと思った。〈鬼面人を驚かす〉ような、手前に飛び出して来て思わず顔を避けてしまいそうになる表現は殆どなく、むしろ奥行きが広がっている、という印象だ。節度のある使い方と言えるかも知れない。
 未開の惑星(正確には衛星らしいが)の風景や自然描写、種々の生物の動き、軍用機の動き、ナヴィ族のモーションキャプチャーによる動きなどの映像は美術的な点でとても優れている、と言えるだろう。
 ストーリーについては、さほどのものではない。ナヴィ族は殆どまんまインディアンである。「ダンス・ウィズ・ウルブズ」に着想を得た、とキャメロン自身も言ってるらしいが、ある人は「実写ジブリ映画」とか言ってたし、私も「ナウシカ」や「もののけ姫」を連想した。オリジナリティはあまり無いだろう。ま、一種「王道」と言えるかも。ここで、岡田斗司夫のアバターを語るネタバレあり「ひとりテレビ」を観てみると、なるほど、同じような捉え方をしている。「マリオ」というのは思いつかなかったが。
 しかし、岡田の言う、結末が「仮想世界への逃避を肯定している」というのはどうだろう? あの世界は仮想というより、あくまでも別の現実世界として描かれているのではないか?
 ちなみに、あるニュースで、アメリカ人の中には、この映画を観た後、「素晴らしいナヴィ族の世界に比べて、現実がつまらなくて憂鬱になった」という人が続出してるらしいのだが、どういうことなんだろうか?
 ひとつ思ったのは、この映画がアメリカ帝国主義の理不尽さを描くことで、インディアンやベトナムに対して行った蛮行を想起させての、いわばアメリカの原罪に対する罪悪感を感じたということではないのだろうか?
 そう言えば、中国ではこの映画に政府が介入して上映規模や宣伝の縮小を指示したというニュースもあった。チベット問題を連想させるということか? なんとも醜悪な介入と言わざるを得ない。
タグ:SF映画 3D CG
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