「姉飼」(遠藤徹) [ファンタジー/ホラー/ミステリ]
「角川ホラー大賞史上最強の奇作!」だそうだ。
確かに、この設定は相当なものだ。悪趣味な世界である。人間の女に似た凶暴な生き物である「姉」をジャングルで捕獲し、串刺しにして縁日で売り物にし、それを買っていたぶる、という仰天のお話。
サディズムの快楽が基本であろうが、一方で次々に死んでいく「姉」に対する倒錯的な哀惜の念がアンビバレンスを生み、それにハマる主人公の、麻薬中毒のような、破滅への道程が痛々しさを醸し出す。
決して良い読後感は残さないが、衝撃作には違いない。
それにしても、最近ちょっとホラー系ばかり読み過ぎのきらいがある。しばらく休んで、もっとマシな小説を読もう。
タグ:ホラー
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