「フロイトの函」 [ファンタジー/ホラー/ミステリ]
豊崎由美氏が狂喜乱舞で大絶賛していたのだが、確かに衒学的な要素が面白いし、訳がうまいのか、翻訳小説にしては非常に読みやすかったんだけれど、なんと言うか、あまり後に残らないですね。支離滅裂な夢そのものという感じで。
「函」というタイトルの中の言葉(原題は"Dream Box")は、ここで展開する夢の入れ子構造を示しているらしい。夢の中でさらに夢を見る、その何重にもなるパターンのことを意味している、と。
ところで、「夢オチ」ってーのは、プロとしては最もやってはいけないことなんだが、最初から「夢」そのものを際限なく猥雑に展開しようとしたのなら、まぁそれはそれで構わないんだろう。
最後の一行で「キメた」わけだが、それほどびっくりはしなかったなぁ。うまい結末の仕方ではあるだろうけど。
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