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「りゅうおうのおしごと!」(白鳥 士郎) [小説]

「下読み男子と投稿女子」などとともに、例の2015年ラノベ・ベスト3の一つに挙げられていた作品で、読もうと図書館で予約したが、長く待たされやっと入手。

りゅうおうのおしごと! (GA文庫)

りゅうおうのおしごと! (GA文庫)

  • 作者: 白鳥 士郎
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2015/09/12
  • メディア: 文庫


 作者は「のうりん」というヒット作(アニメ化もされた)の原作者の白鳥士郎。ちなみに「のうりん」は某農村の村おこし事業に採用?されて、実直な農民のおじさんおばさんの前でエロさ全開上映されて物議をかもしたというのは記憶に新しい。

 それはさておきこの作品、非常にリーダビリティが高く(ってラノベなら当たり前か)、あっという間に読み終わった。「中学生で史上最年少で竜王」になった棋士のところに転がり込んできた棋士志願の小学3年生女子が弟子になる話。

 文章はうまく、面白かったのだけれど、よく出来ている、と言っていいのか? ご都合主義の匂いは芬々である。 
 ストーリーは単純であるがキャラ立ちはとてもいい。というか、〈キャラ駆動型〉の小説である。つまり設定とキャラ造形が決まれば後は自動的に展開していく、的な作り、か。

 ところで私は将棋はよくわからないのだが、ヒロインが盤面を先読みするシーンで、「こうこうこうこうこうこうこう……」といちいち声に出して展開を一手ずつ読んでいく場面があるのだけれど、先読みというのはそんな悠長なシーケンシャルな手順で行われるものなのだろうか?この作品には、専門家集団(プロの棋士)が監修に参加しているらしいので、間違いでもないのだろうが、羽生氏の話などではもっと右脳的というかグラフィカルというか、一瞬で先々まで見通してしまう、というようなイメージがあったので、疑問に思った。

 著者はロリコン趣味を疑われるのを極端に警戒して何度もそうじゃないと強調しているが、いややはりこれはロリコンでしょ、としか言いようが無いくらいロリコン風味が強い。つまり、ヒロインが異様に可愛すぎるのである。可愛いだけでなく、家事全般を完璧にこなし、性格は健気で明朗、こうなるとロリータの域を逸脱した感もあり、出来すぎのきらいは濃厚なので、だからロリコンじゃないやい、ということになるのかどうか?…わからない。

 クライマックスとオチはほぼ読めてしまった(ネタバレなので書けないが)。それなりに感動的であり、作者の技量はここでも確かだろう。続きも3巻まで既に出ているようだが、私としてはもう十分なので、これ以上は読まないことにする。

タグ:ラノベ
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