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最近観た映画感想まとめて11本(2016第1四半期) [映画]

恒例の〈まとめて感想〉であります。


1月13日「ブリッジ・オブ・ザ・スパイ」(MOVIX亀有)
派手な部分は全く無く、重厚な舞台劇という感じ。
 トム・ハンクスますます円熟の境地に。しかし、東ベルリンでの動きの物理的(地理的)かつ制度的な要素やメカニズムがわかりにくかった。

1月15日「恋人たち」(丸の内東映)
昨年の邦画ベストに何人もが挙げていて、見逃してしまっていたのを慌てて上映館を探し、まだやっていたのでここへ観に行った。この後、毎日映画コンクールで日本映画大賞を受賞した。ますますもって凄い!
 役者が無名で、ほとんど素人に見えるのが、却ってリアルな効果を醸しだしていた。

1月25日「クリード チャンプを継ぐ男」(丸の内ピカデリー)
「ロッキー」は全く観ていないという、映画好きには珍しい私なのだが、つい「そういう人が見ても面白いはず」のような評判に釣られ、昨年度ベストテンにも多くの人が挙げているらしいので、観に行った。
 なるほど単に往年のスター扱いしかされていない老いたシルベスタ・スタローンが出てきてもさほどの感慨はなく、ただの引き立て役・脇役としての存在感だけで十分だった。文脈は過去の大きな蓄積の上にあるとしても、全く新しいボクシング映画として成立し得ているようだ。つまりTNG。

2月4日「白鯨との闘い」(MOVIX亀有)
「白鯨」そのものの映画化ではなく、作者メルヴィルが小説の題材を取材して、似たような話を聞くという設定。特撮はとても出来が良い。各俳優も好演。
 やっぱ「白鯨」読むべきかなぁ?

2月8日「サウルの息子」(ヒューマントラストシネマ有楽町)
毎日新聞の映画レビュー面で読んで、興味を惹かれた。いやそれほど「面白そう」ではなく、むしろ陰鬱で暗くて悲惨で残酷な印象をもたらすであろうことは十分予想できたのだが、これは見ずばなるまいとて。確かに凄かった。
 常に俳優の後ろから覗きこむようなアングルで手持ちカメラで不安定な撮影なのが、異様に強い臨場感をもたらしていて、これは新機軸ではないか?

2月12日「ザ・ウォーク」(丸の内ピカデリー)
最初はあまりそそられなかったのだが、TwitterのTLでの評判がいいので興味を惹かれ、観ようと思った。3Dでないと意味がないと聞いていたので(だいたい私は高所恐怖症でもない、いやむしろ高所嗜好症←煙みたいなバカとも言う)、1500円払って3D版にした。久しぶり。私の眼は元々3D対応してる(当たり前だ!)ので、普通の映画はいつも2D版で十分なのだ。
 で、素晴らしく良かった。あんなに実現までのディテール、生い立ちから恋人や友人との出会い、綱渡り師匠との深い交わり、準備活動の詳細などが克明に描かれてたとは!

2月15日「オデッセイ」(MOVIX亀有)
邦題の意味不明、いやホメロスの描いた長く厳しい帰還への航海になぞらえているのか?邦訳書(早川SF文庫)の題名「火星の人」でいいではないか?
 ちょっと戸惑ったのは冒頭の取り残された直後の描写で、それに気づいて愕然とする姿が省かれていて、至極淡々と進行することだ。技術的な問題についての説明が足りないとも感じた。酸素はどうやって都合していたのか?とか。…映画を観てしまえば原作を読む必要はないと思っていたのだが、どうもそう簡単には行きそうもないな。しかし、最後のクライマックスには興奮した。かなり「ご都合」な感じはしたけれど。

2月21日「最愛の子」(シネスイッチ銀座)
新聞の映画評でかなり強く推されていた。中国で頻発する幼児誘拐事件の実話を元に構成されている。子を失って動揺、悲嘆にくれる親。同じ境遇の者たちが互いに集まって慰め励まし合う被害者親の会活動、一方誘拐した側の(育ての)親の方の切ない気持ちもまた悲しいものがある。

3月7日「セーラー服と機関銃―卒業」(MOVIX亀有)
「千年に一度」の女優という触れ込みで(アレは単なるネット上のオタク言説か?)絶賛売り出し中の橋本環奈を見るためにw観に行った。薬師丸ひろ子の演じたオリジナルの方は未見。脚本がもう滅茶苦茶に破綻していて、全編進行が全く理解できず、わけがわからない状態で展開していて観ているのが苦痛だった。なので途中睡眠に退避したりもした。
 橋本環奈(←なぜかGoogle日本語入力に入っていない!)はたしかにまぁ綺麗といえば綺麗だが、とてもとても「千年に一度」などというレベルのものではない。「嗤うよウグイス平安京」以来の千年に一度レベルのジョークになっちゃってないか?
 彼女の美貌、せいぜい「0.25年に一度」つまり年に4人くらいは出てくる新人美少女タレント、のレベルだろう(広瀬すずとか、小松菜奈とかみたいに)。誇大広告も甚だしい。本人は面映ゆく思ってるだろう。

3月11日「牡蠣工場」(シアター・イメージフォーラム)
想田監督の「観察映画」。「選挙」が有名だが未見。彼の作品を観るのは初めて。いやはや凄い!ナレーションや音楽は一切なく淡々と進む。勿論説明的なセリフを語らせる場面や、監督との会話で様子の説明になっている部分もある。そうでないと脈絡がつかないし。

3月29日「バットマンVSスーパーマン」(丸の内ピカデリー)
異様な設定に惹かれて、(無理筋すぎて破綻している可能性は高いだろうけど、と)ダメ元の気分で観た。案の定、かなり無理があったが、それ以上に構成がひどくて解りづらいことこの上ない!説明不足。断片的で思わせぶりなアップ画像のつぎはぎでハイコンテクスト過ぎる。ご都合主義も、いちいち指摘する気も起こらない。両者の格闘場面は単純に迫力というか乱暴さがてんこ盛りで、面白いと言えば面白かった。
 それにしても、アメリカンヒーローというのは、昔の単純な脳天気さに比べて、どうもこの屈託があるようになって久しいような気がするが、あれはやっぱりアメリカ社会の病理を表しているんだろうね。

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