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「きみは赤ちゃん」( 川上 未映子) [ノンフィクション]

妊娠から男児出産、そして育児(満1歳になるまで)の当事者としての体験を正直に赤裸々に綴った本。

きみは赤ちゃん

きみは赤ちゃん

  • 作者: 川上 未映子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/07/09
  • メディア: 単行本


 この類の手記って、世にいくらでもあるだろう(ネット上にはさらに沢山!)が、今までマトモに読んだことはなかった。あまり自分に関係ない世界の話だと思っていたし。

 女性にとって子どもを生むという宿命とも言える営みについて、まさに自分の等身大のナマの体験として詳細に語る、その文体は口語体でフランクでノリの良い言葉(一部大阪弁)で綴られ、リーダビリティはとても高い。

 つわりの酷さ、マタニティブルー、陣痛、授乳の悩み、産後クライシス、と波状攻撃のように次々と、一難去ってはまた一難、襲い来る悩み苦しみ。夫への不満、関係の悪化もあり、とてもネガティブな話が多い。いや作家の筆力ゆえの迫力もあるのだろうが、妊娠・出産というものがかくも辛い苦しいものだというのは(個人差はあるだろうが)今更ながら初めて知った。勿論、それらを超える喜び、幸福な側面も書かれているのだが。

 ずっと独身で来た私としてはまぁ「無縁な話」なので、別段知る必要は無いかと思ってもいたのだが、いや実際に読んでみると、人の誕生という普遍的な事象をめぐる様々な問題について、その具体的で細かな経緯や対応への努力やらを知ることは性別に関係なく必要であると思う。つまり万人にお勧め。

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