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「絞首台の黙示録」(神林 長平) [SF]

腰巻きの宣伝文句が凄い。「三十六年目の最新傑作にして最大の野心作」。これ筒井康隆の最新作(にして最後の作品?)の宣伝文句に似ているような…。ともあれ、久しぶり(でもないか?)の神林作品なので読んでみた。

絞首台の黙示録

絞首台の黙示録

  • 作者: 神林長平
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2015/10/21
  • メディア: 単行本


 SFにしては異色作。というかあまりSFっぽくない。むしろミステリ風味で、死刑囚の絞首刑場面から始まるのだが、確か《ノックスの十戒》に「超常現象はダメよ」というのがあったと思うが、それに真っ向から反して〈死者の生き返り〉という現象が起こってしまうので、これはもうミステリではない。SF的道具立ては殆ど無いのだけれど。

 描かれる状況(設定)がなかなか飲み込めないまま展開していくと、その状況自体がドンデン返しに変転していくので、めまいを催させる。不条理劇と言うか、キャロル的論理のもつれ話とでも言うか。キリスト教神学的な論争っぽい部分はどうも私にゃ苦手な領域なのだけれど、一種の「宗教SF」であるので仕方ないか。

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