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最近観た映画感想まとめて10本(2015第4四半期) [映画]

 2015年10〜12月に観た映画。
 10月は6本と順調だったが、11、12月はともに2本ずつと何故か激減。寒くなると出不精が悪化するからか?などと言うほど今年は寒くないのだけど。

10月10日「パパが残した物語」(MOVIX亀有)
 号泣する準備はできていたのだが、ストーリーの不自然さに白けて全然ノレなかった。
 なんで娘が精神を病んだのかがわからない。あの黒人少女への思い入れの強さもわからない。遺作の原題の父と娘がなぜ複数形なのもわからない。父がなぜ大ベストセラーが書けたのかもわからない。もしかして、全部〈ご都合〉?? 娘役の女優、てっきり「バードマン」の娘役をやってた女優だと勘違いしてしまった。似てません?

10月14日「バクマン。」(MOVIX亀有)
 原作漫画は未読、TVアニメは全部観た。(「。」が付いてたのを今頃気づいた。モーニング娘。みたい)
 かなり原作に忠実な作りだろうが、2時間弱という尺の制約で随分省略がある。原作の半分いや1/4も実写化できなかったのは、まぁ仕方あるまい。にしてはなかなか出来が良い。キャストにはやや不満がある。特に編集者・服部役の山田孝之はイメージに合わないし、そもそも編集者の役割の描き方が不十分と感じた。小豆役の小松菜奈は適役というかイメージそのものではないか。「乾き」という映画(未見)でモンスター的サイコパスみたいな役をやったらしいが、信じられませんな。主役の最高もいまいちイメージに合わない感じがした(佐藤健とは気付かなかった)。新妻エイジ役の染谷将太は〈映画出過ぎ〉感がある。こちらも少し奇矯なイメージに合わなかった。
 漫画のコマのプロジェクションマッピングや、白いバーチャルな舞台でのペンを槍のように持った決闘シーンは面白い表現だ。

10月17日「岸辺の旅」(MOVIX亀有)
 不思議な幽霊譚。死んで2年目に突然帰ってきた夫との、失踪中世話になった人々に再会する旅に随伴する妻。「岸辺」とはつまりは三途の川の此岸のことか。理屈がよくわからないまま少しもどかしさも交えつつ進行する、旅先で会う様々な死をまとった人々との交わり。その中で夫婦愛の深まりが描かれる。得心が行くストーリーではないのだけれど、情感的には印象深い効果をもたらしていた。

10月23日「ぼくらの家路」(ヒューマントラストシネマ有楽町)
 ドイツ映画。シングルマザーの母親が行方不明になって街中を探しまわる(6歳と10歳の)兄弟。この子役二人の演技がすごく自然で素晴らしい。色々なところをさまよい歩く惨めさ。マンションに警官が入ってた時点で重大事を予想したのだが、何故かあっけなく外れた。ちと納得行かない。それにしても最後のどんでん返しにはびっくり。

10月26日「ボクは坊さん。」(新宿武蔵野館)
 原作(の存在は知っていたが)未読。ちょっと頼りないふらふらした青年が家業の住職を(祖父から。父親は何をやっているんだろう?)継ぐ話。十分適性があったらしく、不慣れな失敗を重ねつつも、成長していく。宗教心の目覚めと対を成す職業人的意識の向上。幼馴染の悲惨な運命にも対処しうる人のために身をつくす姿勢の一環として立ち現れる。なかなか後味の良い作品。

10月31日「アデライン、100年目の恋」(MOVIX亀有)
 ひょんなことから不老不死になった女性の話。単なるファンタジーかと思ったら、一応SF考証(低体温仮死と落雷電撃)がされていたw。相当無理はあるけれど。さらに後半の展開も相当極端な偶然でご都合主義なのだけれど、シリアスさが救っている。最後の最後でまたまたご都合になるのも、まぁご愛嬌か。

11月9日「エール!」(ヒューマントラストシネマ有楽町)
 フランス映画は「最強の二人」(2012.10)以来かな? 両親と弟、皆がろうあ者という家族の中でただ一人の健常者である少女、当然家族の耳と口代わりになって家の仕事(酪農家)を手伝って働いている。一種逆境なわけだけど、ごく自然にそれを受け入れて。そこに学校での音楽(コーラス)の授業で、歌手としての才能が有ることが見出されて…。淡い恋、遅かった初潮、家族の戸惑い、葛藤、、。劇中歌の「別れと出発の歌」が実際とシンクロして、手話を交えて家族の前でオーディションで歌うシーンは感動的。
 ヒロインを演じた女優は実際に歌手としてブレークした上での採用らしいのだけれど、脚本が先なのか、元々彼女のために書かれたのか分からないが、はまり役だ。音楽教師を演じた俳優が生瀬勝久そっくりさんだったw。

11月27日「ガールズ&パンツァー劇場版」(MOVIX亀有)
 Ario亀有の中で、何の映画を見ようか迷っていた所、SF作家・山本弘氏のツイートで「これが今年のベスト1。マッドマックスより上」というのを見かけたので、急遽これを観ることにしたのだが、失敗だった。全然面白くない。あまりに不自然過ぎる設定とご都合主義的展開が目に余る。破綻しきっている。物理法則無視しまくりだし、戦いの様子が掴めないし、最悪じゃないか。可愛い女子高生を出して戦争ごっこさせればそれでいいのか? ネット上での主だった人(サブカル系?)の意見は皆高評価。つまりオタクならこれを好むが、私ゃオタクじゃないってことになるのか。自分では結構オタクだと思ってたのになぁ。まぁ、人は死期を前に真人間化する、のかも? なんか一抹の寂しさもあるが。

12月21日「スター・ウォーズ フォースの覚醒」(TOHOシネマズ日劇)
 話題沸騰の久々のスターウォーズ新作(エピソード7)だ。エピソード6の「ジェダイの帰還」の後の作品として、期待度は高かった。その間に作られた「プリクエル」三部作(エピソードI〜III)はイマイチ乗れなかった。そもそもこの3作、概ねファンにはあまりウケが良くないようだ。「宮廷陰謀劇みたいになってあまり見せ場が無い」とルーカス本人が言ってたとか。実際、私は政治的なストーリーがあまり理解できていなかった。
 第7作のこれは、初心に帰ってルークの冒険を彷彿させるストーリー。というか、オマージュが強すぎて、パロディっぽいというか二番煎じっぽくなってしまっている。懐かしさがいや増すのだが、それもまた一興。30年後と、実年齢の進行に一致した時代設定なので、ハン・ソロもレイア姫も相応に老けこんでいてもまぁ納得できる(チューバッカばっかし老けてないのはなんでなんだ?!)。それにしても、マーク・ハミルの老け方は酷いかも。だからああいうチョイ役的出演しか出来なかったのか…。
 新人女優、レイ役のデイジー・リドリーも相方フィン役のジョン・ボヤーガも、なかなか良い演技をしてる。今後に期待。
 突っ込みどころは満載過ぎるくらいあるのだが、本流に戻ってストーリーを進ませてくれたところを評価したい。(ルーカスは「これは私の考えていたものとはまるで違う」と言ったそうだが。)
 アメリカでは、ガンで余命いくばくもないファンの望みを叶えて公開前に特別に見せてあげた(公開直前に死亡)、という美談があったそうだが、私も死ぬ前に観れてよかった。願わくば、何年先かわからないが、第8話や9話の公開まで生き延びられればいいな。

12月26日「母と暮らせば」(MOVIX亀有)
 井上ひさしの「父と暮らせば」(劇は未見)と対をなすオマージュ作品。企画に井上の次女が関わっている。脚本はよく練られていると思う。
 土曜日(は混むので避けるのを鉄則にしているのだが)なのに行ってしまった。が、ガラ空きだった。こういういい映画に人が入らないのはまずい。吉永小百合は前回の「不思議な岬の物語」では散々だったが、今回は流石の山田洋次監督、演技はしっかりしていた。黒木華もいいし、主役の二宮和也もまぁまぁ良い。ちょっと力み過ぎの感じがあったが。老人性涙腺過敏症からか、ほとんどずーっと涙流しっぱなしだった。

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