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佐渡旅行・その2 [身辺雑記]

(承前)
 直帰組の3人と両津港で別れてから、真野湾の北岸の佐和田温泉にある旅館〈入海〉に向かう。もちろん二人泊予約してある。途中でビールを買おうとしてなかなか売ってる店が見つからず探しまわる。
 (それにしても、このホームページのセンス、何とかならないものだろうか?)

 で早速、噂には聞いていたが想像しかねていた「黒い温泉」とやらに入る。中の様子はこのページ「黒い温泉と畳のお風呂」で見れる。
 洗い場に畳が敷かれてる。青畳である。これはびっくり、こんなの初めて。当然濡れっぱなし。すぐに腐ってしまうのではないか?時々干してメンテしてるんだろうか?それとも全取っ替えしてるんだろうか?
 お湯の色だが、本当に黒い!(20センチ沈めた掌が全く見えない、程のもの)なので底は全く見えず、段差があるのに気づかず足を踏み外して転びそうになり顔の左半分をお湯につけてしまった!注意書きを後で見つけた、もっとわかり安いところに表示しろ!
「黒い温泉ですがつるつるとして肌に優しく、湯冷めはしません。」←確かに少し肌がぬるぬるする感じがした。湯冷めもそんなにしなかった。温泉体験としてはなかなか面白かったと言える。

 さて風呂の後は食事である。食堂には他にもう一グループだけの宿泊客5人が居たっきり。もう観光の季節は終わりなんだろうか?A氏が佐渡の知り合いに「この時期はどうなの?」と訊いたら「(紅葉など観光シーズンは)もう終わってる」と言われたそうな。だから、どこへ行っても観光客が少ないのか。
 それはそれとて、今日も海鮮料理。
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 見ての通りの豪華版である(最上級ではなく3ランクのうち真ん中)。
いやもうこの歳になると食事量は減っており、とても食べきれない。頑張って食べるというのも辛くて、食事を楽しむことと本末転倒になってしまうので、ほどほど、いや相当量残した。勿論味は良かったのだが。

 大勢でなく二人だけになると、割りと突っ込んだ話ができる。この夜は〈老後の読書〉論でひとくさり。彼我の読書観の違いが出た。(この話は大きなテーマなので、この記事では展開しない。機会があれば後で単独に書きたい)

 布団に入ると、掛け布団が異様に重い。「今まで経験したことのない」クラスの重さだ。何じゃこりゃ、こんなGがかかってはたまらん、と上の1枚剥がして寝た。A氏はそのまま寝たようだ。信じがたい。


11月16日(月)
 6時頃目覚めて、朝風呂に入りに行く。当然誰もいない。明かりさえ灯っていない。自分でスイッチつけて入った。湯は十分温かかった。朝食後8時頃チェックアウト。

 昨日金山に行った後、そのまま足を伸ばして大佐渡スカイラインを通って両津に出るというプランがあったのに、山がガスっているというので眺望は望めず断念したのだが、今日になると嘘のように天気が良くなったので、行くことにした。実はこのスカイライン、暦的には冬季閉鎖になる可能性もあったらしい。しかし、ここ数日は天気は悪いが気温は異様に高く、風もなく過ごしやすかったのでそんな季節とは思えなかったし、今日になると本当に快晴で10月初めくらいの感覚だった。
 昨日金山まで通って見覚えのある道を再度行く(3日も走り回るとこういうケースが増えてくる)。さらにその先急な山道でもハイブリッドカーはどんどん、それも静かに(エンジン駆動だろうに?それともモーターなのか?)登る。充電量メーターは減りつつあるようにも見えた。うーむ、登りばかりの道ではハイブリッド車のメリットはないのかな?と思ったが、後の下り坂でしっかり位置エネルギーを電気エネルギーに変えてちゃっかりフル充電していたようだ。賢い。

 スカイライン最高点を過ぎたところに白雲台交流センターという展望台兼売店があるのだが、暦通りなのか、もう閉鎖していた。そこにあるトイレを使わせてもらおうと思っていたので焦った。しかも便意は小でなく大である。抗癌剤副作用の下痢が襲ってきていたのだ。それほど急激ではなかったので車内では我慢出来ていたのだが、だんだん強くなってきたので、他に人も居ない閑散としていることだし、ここはひとつ自然の懐に抱かれて[野糞]と参ろうと決心して、藪の中に踏み入って姿を隠し、存分に…以下自粛省略。

 この展望台のウリは「国仲平野を挟んで両側の二つの湾が一望できる」というところである。パノラマ写真にできず3枚に分けて撮らざるを得なかった。
↓まずは東の両津湾
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国仲平野
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西の真野湾
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 いや素晴らしい眺望だった。昨日帰った3人にも見せてあげたいと思ったので、メーリングリストで送った。

 下り両津方面の道は自衛隊レーダー基地への車両を冬でも通すための(?)滑り止め溝が彫り込まれてあって、若干振動があり乗り心地に難があった。

 昼食は佐渡に住んでいるA氏の友人H氏で、私もTwitterで相互フォローしている人と一緒に食べる約束ができていたので、畑野という国仲平野の中央南地域にある、最近新規開店した料理屋(名前失念)へ行く。先に入って待っているとすぐに自転車でやって来た。オンラインで知り合った人とオフで初めて会うときの感覚(どんな風貌なのか、どんな声か想像し、一種ときめき、ちょっと不安)というのは久々に味わった。風貌は極めて温厚で穏やかで愛嬌もある方だった。ちょっと意外。

 実際はTwitterでのコミュニケーションは殆ど無い相手で、たまに「どういう本を読了したかの記録(感想わずか)」を呟くのを見る程度だった。以前二人で交わした会話で「読む本が切れてしまった」→「青空文庫へ行ってみては?」→「電子書籍は読まないのです」というのを記憶しているのだが、とにかくその読書量が物凄いのである。今まで会った人の中で恐らく最大の読書家だろう。圧倒されるばかりの、明治から大正昭和期の日本文学がほぼ専門で全集本などを網羅的に読み込んでおられる。蔵書量を訊いたら1万冊以上と。その9割は読んだと。積ん読家の私としては平伏するしか無いorz。いろんな作家の話もでたが、「今の作家の文章は読むに耐えないのが多い、多和田葉子は読める。古井由吉も全部読んだ」とか言っておられたのが印象に残った。

 食事後お別れしてから、まだ船に乗る前の時間が余っていたので、今度は「佐渡歴史伝説館」に行くことにした。ほど近いところにあるし。

 そのそばにある順徳上皇の墓、↓真野稜に先に寄る。
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結構な広さがあり中には入れず、石垣で囲まれているその外周を一周りするだけで10分位かかった。森閑としていた。

 で、↓佐渡歴史伝説館、こういう施設があることは知らなかった。
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 あの北朝鮮から帰った、曽我ひとみさんの夫ジェンキンスさんが売店で働いている、とA氏から教えられた。接客サービス(握手など)させられているらしい、と。あまり感じのいい話ではない。こんなブログを書く人も居るのだがあまり会いたいとは思わなかった。この日は見かけなかった。そういう時は「ジェンキンスさんは充電中です」と看板が出ているとも聞いたが、それには気がつかなかった。

 ↓中の展示は、このような、主にロボット(とまでは行かず動く人形とナレーション)の歴史や伝説のテーマ別展示である。それが10個位あって、コンテンツ的には結構充実している。佐渡金山坑道内の人形よりはだいぶ凝った動きと詳しい語りがなされる。
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このホームページに詳しい。
 休みを「充電中」という表現していたのは、このロボットに引っ掛けていたのか、と後で気づいた。

 写真は撮らなかったのだが、最後の伝説語りロボット…、てっきりロボットかと思ったら、生身の人間(やや太めの女性)だったのに驚いた。妙に本物っぽいなと《不気味の谷》の逆を感じていた。息を吸う度の胸の動きなどリアルすぎるし、その割には生身の体に特有のゆらぎ、瞬き、不規則な体の動きなどが殆ど感じられない。喋りもよどみなく咳もしない。最後客と会話してるのを見て、やっと生身と確認できた。凄い演技力だ!客は切れ目なくやって来るはずで、どれだけ正座し続けているのか?!

 まだ全部見終わらないうちに、A氏に奥さんから電話が入り、旅館入海からA氏のビューカードが落とし物として届けられている、との連絡が自宅にあったと。慌てて旅館に戻る。なんと旅館の前の路上に落ちていたのを通行人が見つけてフロントに届けたそうな。日本では落とし物の何割か相当な高率で戻る、「いい国神話」が証明されたか?

 さて、そろそろ佐渡を離れる頃合いが近づき、両津港に向かう。レンタカーを返し精算。3時過ぎにジェットフォイルで先に帰るA氏を見送り、私は30分遅いフェリーに乗って新潟へ向かった。つまり、その夜は3泊目を新潟市内で一人でとろうとしたのだ。おと休パスの最大限(4日間)活用である。一昨年の東北旅行のときとほぼ同じパターンである。

 新潟港に上陸したのは午後6時頃か、宿を予約していなかったので、入港前にiPadminiで急いで予約先ホテルをインターネットの日本・新潟市のホテル32軒。Booking.com・今すぐホテル予約!で探した。ユーザー評価がダントツ(8.7点)だったホテル日航新潟に決めた。税込み6,300円と結構安かった(割引期間だったらしい)のと、港に至近でホテル探しで歩きまわらなくて済むのが魅力だったからである。「旅のプロ」のS氏夫妻からはツイートで「グッドチョイス!」と褒められた。部屋は27階であるので、窓からの夜景の眺めがなかなか良い。
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 シングルにしては広さも結構ゆとりのあるいい部屋だった。さすが日航。一息ついた後、腹が、減って、きた(窓際に居る私のアップ写真、5mほど離れた写真、さらに20m離れた写真の連続を想像されたい)ので、街に出て食事を摂ることにした。ホテル内のレストランは高そうだし、新潟市内の夜も見てみたいと思ったので。
↓信濃川を渡る橋の上から。
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↓振り返って、これが日航ホテルのある朱鷺メッセビル。
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 川の北側に繁華街がありそうと安易に思って闇雲に歩いて行ったのだが、なかなかそういう場所に着けず、ってゆーか、そもそもそんなのあるのか?これは私の旅音痴がまた出てしまった。いくら歩いてもキリが無さそうなので、適当にあった吉野家で牛すき鍋で済ませた。新潟まで来て吉野家とは情けない。帰りにコンビニに寄って、翌朝の朝飯のためのパンと牛乳を買った。

↓窓から眺めたご来光
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 チェックアウトして同じビルの最上階にある展望室へ行き、北方向から東、南へと見渡す。相当な高さ(市内1,2位を争う?)で視界は広大だ(写真多過ぎ?クリックして拡大すると迫力あります)。
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この展望台の売店で新潟市観光循環バスを購入した(500円)。一日中何度でも乗り降り自由である。「これを利用して適宜乗り降りを繰り返して市内観光するよろし」とA氏からアドバイスされたので。但し、彼は「面白いところはないよ」と付け加えていたのだが、いや、そうでもなかったのは後述する。

 この地図ページをiPadで表示しながらバスに乗って市内を行く(以下の記述はこの地図を別ウィンドウに表示しながら読むと解りやすいかと)。コースは時計回り(白山公園先回りコース・ピンク色)と反時計回り(朱鷺メッセ先回りコース・オレンジ色)があって、当然後者を選んだ。ホテルの直ぐ傍に4番バス停があるので便利。
 ところがこのバス、運行が少なく、1時間に一本しか来ないのである。展望台に居たせいで9時台のを逃してしまい、10:24まで待つことになって少し苛ついた。

 回り始めて最初に降りたのは、7番バス停の↓新潟市立美術館だ。
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 常設展示だけ観て、早々に出た。悪くもなかったが、点数が少なくて物足りない面もある。と言っても先を急ぐ日程からは好都合だったかも。そこから次のバス停までは歩いて行き、8番バス停前の↓北方文化博物館というのがあったのだが、
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あまり興味のない企画展だったのでパスして、15分くらい待ってまたバスに乗った。
 日本海の海岸の方まで遠回りのループしたりして走行するのだが、その辺りでは降りず、13番バス停の
白山公園前で降りた。市役所近くの中心地とも言える場所か。
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この中に↓タマ公銅像があった。これも初めて知った犬である。
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拡大するとキャプションの文章が大体読めるはず。「タマ」って普通は猫の名前じゃないのか?ってのはまぁいいか。
↓公園内をしばし散策する。紅葉が綺麗。
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隣接してあった旧県会議事堂
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ここから歩いておよそ信濃川に平行に東に進む。ここでまた便意が襲ってきた。かなり急迫している。コンビニがあれば駆け込むのだが、なかなか見つからない。しかたなく蕎麦屋に入った。トイレを借りた後ざるそばを食った。まぁちょうど食事時だったのでよしとする。ついでに今いる場所を聞いて確認する。その近く14番バス停の傍に
マンガの家があった。市立の施設で入場無料。
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 これは思わぬ掘り出し物というか穴場だったというか、A氏もH氏も全く触れなかった場所で、彼ら(テキスト系?)にはアウトオブ眼中だったのだろうが、大学時代漫研に所属し、いまでも結構漫画を読む私には垂涎の施設ではないか!と。いや、ここにく来るまで「新潟県は漫画家を多数輩出している」とは知らなかった。漫画家の出身地なんてほとんど気にもかけなかったし。他のブログからのコピペで恐縮だが、
赤塚不二夫・水島新司・高橋留美子・新沢基栄・魔夜峰央・小畑健・えんどコイチ・しげの秀一・聖悠紀・小林まこと・叶精作・柳沢きみお・高野文子・安田弘之・うたたねひろゆき・たかもちげん・寺田ヒロオ・近藤ようこ・山本航暉・わかつきめぐみ
など錚錚たる顔ぶれ(現役で活躍してる人はかなり減るが)で、びっくりした。雪にふり込められる地域なので、家にこもって漫画を書くことに目覚めたりしてか?などと妄想した。
 で、何人かのメジャーな作家の作品展示やらフィギュア、ワークショップコーナー、単行本閲覧コーナーなどがあったが、それらそのものはあまり面白くはない。一度行ったら二度と行く必要は無さそうだ、というのが少し残念。
 で、さらに屋上屋を重ねるかのようにあったのが、14番バス亭から再びバスに乗って17番で降りて西方向に歩いて行ったビルボードプレイス2という商業施設内にある、
漫画・アニメ情報館である。循環バス券を見せると200円が160円に割引でラッキー!(笑)
↓設立趣旨
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↓例えばこんなふうに紹介されている。大画面タッチディスプレイを使ってラムちゃんを捕まえるゲームなどもあった。総じてコンセプトが被るマンガの家よりも機械仕掛けが大掛かりな印象だ。アニメ製作過程の詳しい説明と、体験的に画面を自分で自在に構成するゲームもあった。
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 まぁ、町興しの一貫なのだろうけれど、成功してるかどうかはかなり疑問だった。

 この後は、途中サンマルクカフェでコーヒーを飲んで休み(コンセントがあるのに通電してなくてiPhoneに充電できなかったではないか!)、駅まで歩き、3:48発のMaxときの自由席に乗って帰京した。2階席は3人席が並んで1列6人がけと初めて知った。下りの時のMaxときは5人がけだったのに、、こういう違いもあるのか?と。東京着18:00。

 いやぁ〜、色々見れて充実した旅ではございました。ありがとう。(ここまで読んでくれた人にも!)

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