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「ケンガイ」(大瑛 ユキオ) [サブカルチャー]

TwitterのTLで「面白い」というつぶやきを見かけ、第1巻がKindleで無料なので、ダウンロードして読んだらなかなかだったので、第2巻をブックオフで108円で買い、第3巻(最終巻)を新本で596円(税込み)で買った。と、リスペクト度がだんだん増した、みたいな。
ケンガイ(1) (ビッグコミックス)
ケンガイ(2) (ビッグコミックス)
ケンガイ 3 (ビッグコミックス)





 有り体に言えば「恋愛もの」なのだが、かなり変則的。ヒロイン役?の女性がとても変わっていて、およそ恋愛など無縁なタイプ。と言うより、おそらくは幼少期に虐待された経験があり(その辺りは匂わすだけであからさまには描かれていないが)、人間不信に陥り心を閉ざしている、という設定。それ故に恋愛にも全く興味を示さず、ろくに化粧もせず態度も悪く、およそ職場の男たちからは恋愛の対象外つまり「圏外」とみなされている(がゆえのタイトル)25歳前後の女性。

 そう言えば、新宿駅ビルのルミネのCMが炎上した(参考URL→ http://biz-journal.jp/2015/04/post_9698.html)原因に、この種の女性は「需要が違う」というセクハラ発言があったのを思い出した。ほとんど同じ意味だろう。

 で、なぜかそんなケンガイ女性に惚れてしまう純情な同じ職場の非正規社員の男が主人公で、もっぱらこの男の恋愛に不慣れウブナイーブな、状況の変化もしくは変化の無さに揺れ動く心境が描かれる。この辺りは誰しもが経験したことだろうから、共感、感情移入はし易い。

 職場(ビデオレンタルショップ)が主な舞台で、仕事の話や、数ある名作映画への言及もよく描かれているので一種の「お仕事漫画」と言える側面もあり、リアリティがある。裏舞台(人事管理など)を覗く面白さもある。また映画教養への(断片的だが)ガイダンスネタも結構充実w。

 冷えきった女の心に男の真っ直ぐな熱い思いは伝わるのか?果たして二人は結ばれるのか?という興趣から3冊読み終わるのに時間はかからなかった。
 ネタバレ禁止につき、ここまで。
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