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「天冥の標VIII ジャイアント・アーク PART2」(小川 一水) [SF]

前回この第8巻のPart1について「わけわからん」散々な状態であると書いてから、また時間が経過してしまい、やっとPart2を読んだ。

天冥の標VIII  ジャイアント・アーク PART2 (ハヤカワ文庫JA)

天冥の標VIII ジャイアント・アーク PART2 (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者: 小川 一水
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2014/12/19
  • メディア: 新書


 前よりは状況は改善した。直前のPart1の記憶はさすがにまだ残っているし、その後の本書での展開は単純でわかりやすく、またかつて読んだ第1巻の内容から踏み出しており、記憶との照合/確認をする必要はなくなったからだ。
 それより驚いたのは、登場人物自身が300年もの眠りから覚めたり、そんな昔の記憶は失ってしまっていたりと、(まるで読者の私の困惑に同調するかのように)混乱したり状況把握に苦慮している様が描かれているのであった。まさか、私のような読者の声を配慮してのこととも思えないが…。ちょっと笑ってしまった。

 ともあれ、人類がほとんど滅亡した後の世界での、未来に向けた(?)苦闘が展開し始めるという点で、一区切りとなる巻だろう。

 ただし、冒頭と最後の部分に短い〈断章〉として収録されているアクリラ・アウレーリアの超常的体験、これがまた要領を得なくて困った。

 人間や疑人間たちのミクロなレベルでの行動が大半ではあるにしても、数千万年のスケールで大宇宙規模の動向と密接に関わっているという構造の小説なのだが、そういう二重構造を具体的に(例えばこの断章で)展開することの困難さを感じさせられる。壮大な試みで、偉業と呼べることは確かなのだろうが。

 ここまで付き合ってきた以上、続編を読み続ける意志はあるのだが、果たして最後まで読めるのか、余命が間に合うのかはわからない。

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