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鳥獣戯画展 [アート]

上野の東京国立博物館(平成館)で開催されている「特別展・鳥獣戯画 京都高山寺の至宝」に行ってきた。展示される絵画をスキャンすれば総量は優に10ギガバイトを超える、まさに〈超10ギガ〉展。

入り口の巨大看板:
cho10G_4.JPG

 展示内容が前期(4/28〜5/17)と後期(5/19〜6/7)とで一部入れ替わるとのことで、今日5月15日は前期のうちの平日最後の日である、と気がついて、慌てて観に行ったのである。別に後期になっても大した違いはなかったのだが…。

10時半過ぎに入り口でチケット¥1600を買い、北西方向にある平成館(こんなのが出来ていたとは知らなかった!随分久しぶりの訪問なので)に向かう途中に、こんな看板が…
cho10G_1.JPG
これには目を剥いてしまった。入る前に屋外で100分。入ってからも屋内で80分待ちだと!! とんでもないではないか。普通なら断念しかねないところだが、いつ来てもそんなものなのだろうという気がして、そのまま進む。(ってか、もうチケット買って入場してるので後には引けないのであった。こういう情報は後出しではなく、入る前に見れるようチケット売り場の前に出すべきではないか?当然ながら)
※いや、後で考えたら、まだ入場券の半券のモギリはされてない(入館してからされる)ので、出直しは可能なんだった。

 で、あれに見ゆるはその100分待ち屋外行列じゃないか、と。
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この列の最後尾に着く前に、〈日傘の貸し出し〉をしていたので、借りることにした。日差しが強かったし。男女問わず皆さんが借りていた。こんなものまで大量に常備してあるとは「用意がいい」と言うべきだろう。それでも汗が吹き出た。今年最高気温だったようだし(30℃までは行ってなかったようだが)、紫外線は強かった印象。

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これはその行列の先頭近く、あと少しで入館できる位置まで到達した時点で撮った写真。この時時刻は12:45!!つまり並んでから丸120分経過。その間Twitterを見たり、新書本を読んでたりした。立ちっぱなしで10分おきに5mずつ進む、というペース。体調はあまり良くなく、疲れやすい状態が手術入院後のここ1ヶ月以上続いているので、ちょっと辛くなって来た。

 入場してから出るまでの間、写真は一切撮れていないので、ここからはテキストだけになる。

 待ち行列に並んでいた時に誘導員が、「中の待ち行列は最も混み合っている〈甲巻〉を観るためのものです。他の展示は待つことなく観れますから、入ってすぐにまた長時間並ぶよりもそちらを先に観ることをお薦めします」と案内していたので、なるほどと思って、それに従うことにした。(これは後から考えると失敗だったのだが)

 列には並ばずに、「祖師の面影ー国宝・華厳宗祖師絵伝(←ぐはっ、この言葉がグーグル日本語入力で一発で出た!)」、「断簡」「丁巻、丙巻、乙巻」と見て回り、次に第1会場の方に行き、「高山寺伝来の至宝」「高山寺中興の祖 明恵上人」「天竺を目指して」「明恵上人と仏法」などの展示を観た。それぞれ歴史を感じさせる重厚な存在感のあるものだった。
 それらを観終わって午後2時ころ、例の行列の最後尾に着いたのだが、初めに見た時よりも行列はぐんと長さを増して羊腸のごとく館内を経巡り、母をたずねて三千里、この自ずからなる細道はいつ来た道か、と慨嘆せざるを得ない長さである。ここと思えばまたあちら、と館内縦横無尽に行ったり来たりを繰り返し距離にしても相当な長さを歩かされた。疲労困憊してきた。健常人ならばさほど応えない程度ではあろうが、この不調の体にはかなりきつい。館内照明が暗いところもあって、本もよく読めない場所が多い。Twitterなら液晶画面が光るから出来なくはないが、そればかりでも疲れるし。…と2時間以上引き回された挙句、ついに来ました〈甲巻〉!
 巷間、最も好感を得ている部分であり、見慣れた絵の本物のオリジナルが眼前に広がる。しかし、2時間(どころか総計4時間以上)も待って、観れた時間は僅か2分ほど、「立ち止まらず進んで下さい」と言われてそそくさと通過せざるを得ない、この慌ただしさに心が「折れる」とまでは言わないが、不満は残った。もう少しじっくりと矯めつ眇めつしたかった。

 ほとんどの絵(兎と蛙の相撲、賭弓、猿を追いかける兎などなど)は何度も何度も見たことのある記憶に鮮明なものであったが、中にはあまり見慣れていないものもあった。その筆頭が川で水遊びをしている場面で、水が入らないよう鼻をつまんで背面から飛び込もうとしている兎の姿で、キャプションに「可愛い」と書いてあった。そう言われてみると確かに「可愛い」。他にも、猫を怖がって兎の背後に隠れる鼠なども。

 それにしてもこの絵の作者の技量たるや大変なもので、流麗としか言いようのない筆さばきの見事さとシンプルさは驚嘆という他ない。

 さて、観終わって少し椅子に座って休憩した後、退館したのだが、5時近いというのに、まだ入場待ちの列が続いていた。今から入ってもろくに観れないのでは?と他人事ながら心配になったが、入場券をよく見たら「金曜日は午後8時まで開館」と書いてあって、なるほどと思った。

 これは↓帰りがけに気がついた、池での洒落た仕掛けを撮ったもの。鳥獣戯画の中の川で水遊びする例の「可愛い」シーン(右上)などから切り抜いてセットしてある。仕掛けとしてはかなり安価で安直な(学園祭レベル)気もするが…まぁ微笑ましいと言えるだろう。
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博物館を出て通りがかった噴水が綺麗だったので、最後にパシャっとな。
cho10G_6.JPG
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