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「ルポ 貧困大国アメリカ」(堤 未果) [ノンフィクション]

図書館にオーダーしてあった「沈みゆく大国アメリカ」(集英社新書)が回ってきたのだが、この著者が2008年に出した前著が積んであったので、こっちから先に読まねば、と思って読んだ。
(さらにこの2冊の間にこの続編と「㈱貧困大国アメリカ」という本もあるようだが、それは買っていない。)

ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)

ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)

  • 作者: 堤 未果
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2008/01/22
  • メディア: 新書


 アメリカの貧富の格差問題は常々新聞やテレビで見聞きしていたので驚きはないが、それにしてもここで展開される社会の各局面での貧困問題の実態は、詳細にまとめられているだけにその強烈さは凄い。

 サブプライムローン問題をプロローグに、貧困がもたらす肥満、FEMA民営化によって防災力が低下(ハリケーン・カトリーナ)、無保険者の増加・医療費の高騰で破産する人々、教育ローンで未来を閉ざされる学生たち、ワーキングプアが戦争に駆り出される、国民の個人情報を捉え監視し金儲けに利用するシステム……。これでもか、とばかりに開陳される数々の悲惨な話が目白押し。

 その背景にあるのはレーガン以降始まり、911でさらに強化推進されている新自由主義による大資本の暴走だというのがよくわかる。
 7年も前の2008年時点でこれであり、その状況は現在ますます進んでいるだろう。全くおぞましいというしか無い。そして日本もこれを忠実に追っているわけで、暗澹たる気持ちになる。

 そもそも「新自由主義」などと「新」の字を冠してはいるが、実態は19世紀型の苛烈なやりたい放題の資本主義に回帰した先祖返りそのものではないか、という気がしてならない。その淵源は、冷戦が共産側の敗北に終わったことによる《労働者に遠慮はいらぬ》《弱肉強食万歳》という資本側の居直りの風潮なのではないか?と思えてならない。

 続いて「沈みゆく…」の方に取りかかろう。(返却日が近づいている)

タグ:アメリカ
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