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〈鸚鵡返し〉話法の蔓延 [言葉]

 最近テレビでトーク番組(に限らないが)を観ていると、会話の中でやたらと〈鸚鵡返し〉が使われていて、聞いていて違和感・不快感を催すことがとても多くなったと感じている。
例えば
「北海道へ行ったんですか?」→「北海道へ行ったんです」
「美味しいものを食べに?」→「美味しいものを食べに」
「北海道生まれなんですか?」→「北海道生まれなんです」
てな調子である。

 単に「そうです」とか「いいえ」とか、Yes,Noで答えられる質問に、なんで全文反復するのか?お前は自動RTボットか?!と言いたくなるくらいの酷さだ。まだるっこしく冗長極まる。

 これは一体どうしたことか?

 すぐに思いつくのは、「言語力は衰退しました」という理由ではないか?ということだ。

 語彙力の低下、流暢な生き生きとした会話ができなくなっているのではないか?という当然の推測なのだが、しかし、トーク番組に出てくるような、本来会話術には長けているはずのタレントや政治家や評論家などでさえこれを使う場面があるのはなぜなのか? あ〜イライラする。
 そもそもいくら語彙が少なくなったからといって、「そうです」や「いえ」が言えなくなる筈もない。

 そこで別の理由を考えてみる。

●相手の言葉を繰り返すことで〈共有〉を強調して親近感を増そうとしているのではないか?
●相手に向かって発するというよりも、自らそれを同様に発することで自分からの発言として位置づけて脳内の主体を保持しようとしているのではないか?
●繰り返して時間を稼いで、次に発する言葉を考えているのではないか?

と、これくらいしか思いつかない。しかも根拠は無く、どれもあまり的を射ているとも思えないし…。

 というわけでこのイライラは解消しそうもないのであった。
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コメント 6

もちろん

こんばんは。もちろんです。テレビを観ない私には分かりませんが、askさんの指摘はごもっともかもしれませんね。「鸚鵡返し」は、“聞き上手になるための一つのテクニック”などと解説されていたり、メンタルヘルスのカウンセリングでもよく使われると聞きます。ただ、なぜこれが有効なのか、具体的な効果は何かまではよく知りませんが。
by もちろん (2015-01-15 00:29) 

ask

>“聞き上手になるための一つのテクニック”などと解説されていたり、メンタルヘルスのカウンセリングでもよく使われると
 へぇえ! そりゃ初耳です。聞き上手ねぇ。私の推測1に該当するのかな?
 相手の言葉を受容してる印象を与えるってことか?
by ask (2015-01-15 11:59) 

ask

しかし、待てよ。
〈鸚鵡返し〉メソッドは、訊かれた側がするものですよね? とすれば「聞き上手」というのはおかしい。「聞かれ上手」になるためということになりませんか?
 もし聞く側がこの話法を使うのなら、
「北海道へ行ったんですか?」
「北海道へ行ったんです」
「ほぉ〜、北海道へ行ったんですね」
と言わなきゃならないことになりませんか?
それはあまりにひどすぎるのでは?
by ask (2015-01-15 20:33) 

もちろん

確かに文字にすると・・・。北海道へ行かれたのですか?→ええ、北海道へ行ったんです→ほほう、北海道へ、みたいな展開なんでしょうかね。「聞き上手」と「おうむ返し」でググってみると、思いのほかひっかかりますね。
by もちろん (2015-01-16 00:33) 

akash

落語の小咄か何かに、主君のことばに家臣が返事するかたちを守らないといけないというので、
「殿、良い月でございます」
「うむ、良い月じゃの」
「ははっ、良い月でございます」
っていうのがあったような。
by akash (2015-01-18 06:25) 

ask

なるほど。主従関係の確認のための鸚鵡返しメソッドですか。これもコミュニケーションの円滑化のため、の一種と。
 しかしこれが成立するためには、まず主君のほうがその話法をしなければいけないわけで、なんだかモニョりますなぁ。
 殿がそうしなかった場合、
「殿、良い月でございます」
「う〜む、そうかのぉ?少し霞んでおるが」
「ははっ、よく見たら霞んでおります」
みたいになるのかな?
by ask (2015-01-18 08:58) 

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