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「定年後7年目のリアル」(勢古 浩爾) [セカンドライフ]

以前読んだ「定年後のリアル」の続編である。
 (前記事の「耄碌寸前」に続き、また《老境》関連になってしまったが、これは図書館で予約したものがたまたま同時期に回ってきたせいで、こればかりは操作できないのだった。)

文庫 定年後7年目のリアル (草思社文庫)

文庫 定年後7年目のリアル (草思社文庫)

  • 作者: 勢古 浩爾
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 2014/08/02
  • メディア: 文庫


 「あと10年も経ったら、そのときにはもっと経験に即した『老後のリアル』を書けるかも知れない。」とあとがきで書いていたのだが、10年どころか5年で書いたわけだ(現在67歳)。

 その口上のとおり、前回とはかなり趣が違っている。前はとにかくやたらと弛緩した脱力ぶりを強調していたが、今も基本その生活パターンは変わらず、働かず、ボランティアやスポーツや趣味に励むこともなく、テレゴロと自転車での徘徊、あと読書(エンタメ専門)で終始しているのだけれども、さすがにそれでは何も追加して書くことなどある筈もない。敢えて続編を書くということは「経験に則して」書くコンテンツを新たに持ち得た、ということだ。

 と言ってもその経験は殆ど読書によるものである。エンタメばかりと言っておきながら、その割に教訓めいた本がいっぱい出て来る。以前の淡々とした没価値的と言うか相対的な、老後はそれぞれ個人の問題と言う視点は保持しつつも、やはり自分なりの信念・心構え開陳せざるを得なくなってのことだろう、と見える。

 第5章「理想の老年モデルはいない」で紹介された本で「見事な」敬うべき人物を何人か挙げている。
オシムの言葉」(木村元彦)
「ココダの約束-遺骨収容に生涯をかけた男」(チャールズ・ハペル)…西村幸吉の瞠目すべき人生
「求めない」(加島祥造)…「求めない。すると心が広くなる」
「父の生きる」(伊藤比呂美
「青空としてのわたし」(山下良道)…「怒り憎しみも皆青空に浮かぶ黒雲でしかない。雲を浮べている青空それが私です」
「見残しの塔」(久木綾子)89歳で出した著作

 これらの本の趣旨に大いに共感し、自分はその境地には至れないとしつつも、著者のあるべき《老境》観がかなり声高に示されている。前作がザインなら、今回のはゾルレン。なるほど、それぞれの凛とした生き方は指針としての価値は高そうで、紹介したくなるのももっともだと思えた。つまり、これらの本を読んでみたい気持ちにさせてくれたわけだ。

タグ:老後 読書
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